「『読めていた』プレーや走りを出せた」。今季公式戦3点目、ようやく勝利に結実する。
「昨シーズンは4点奪っているが、すべてセットプレーからだった。久しぶりの流れのなかからのゴール。それに、(ヘッドやミドルではなく)自分としては好きなゴール。嬉しかったですね」
槙野が「自分らしくない」という技ありのゴールを決め、浦和に待望の勝点3をもたらした。これでチームは第2ステージ8位に浮上。年間順位では3節ぶりに首位に復帰した。
立ち上がりから一進一退の攻防が続き、迎えた58分、柏木のペナルティエリア内への正確なキックを興梠が落とし、関根がグラウンダーのマイナスクロスを放つ。そして、ファーサイドにいた槙野が下がりながら身体を反転させ、右足を振り抜いた。
抑えの効いたシュートが湘南守備陣とGKの間をすり抜け、ゴールネットを揺らす。背番号5を中心に、赤く染まったスタンドが歓喜に包まれた。
「ペトロヴィッチ監督はミーティングで、『湘南は(同じシステムなので)ハメてくる。だから目の前の相手に勝つことがポイントになる』と話をしていた。だから、自分は相手を押し込み、ゴール前に入っていくことが大事になるかなと思っていた。試合の流れや相手の嫌がることを『読めていた』プレーや走りを出せた」
槙野はゴールの背景を、そのように明かした。
今季はこれで公式戦3点目。ACL4節の北京国安(△1-1)、リーグ戦10節の柏戦(△3-3)と、これまでは勝利に結び付かなかっただけに、喜びもひとしおの1点になった。
なにより「前線の選手がゴールを奪えているので、タイミングと時間帯には気を付けている。武藤、宇賀神との左サイドの3人での連係の質も高まっている。自然と動き出せて、マークを受け渡す声も出せている。そのなかで決められたゴールだった」という点を、大きな収穫に挙げていた。
一方、相手のカウンターから迎えた高山とのマッチアップを身を挺してストップし、身体を張ってシュートをブロックするなど、守備面でも“魅せた”。
「ミスからカウンターを受けて、危険な場面で1対1に持ち込まれたが、そういう場面でこそ球際で負けないことが大切。ピンチをチャンスに変えられるプレーだったと思う」
ペトロヴィッチ監督は槙野について、「中断前の甲府戦から日本代表の東アジアカップを含めると、これで6連戦になる。あのポジションは彼に代われる選手がいないから、この厳しい日程でも起用してきた」と語っていた。
しかも、その全試合をフル出場したのである。
全員攻撃、全員守備。どこからでもボールを奪い、そしてどこからでもゴールを奪うのが、浦和のスタイルだ。期待に応える一撃と気迫のこもった守備――まさにスタイルの象徴と言える槙野が、チームをぐっと前進させる推進力をもたらした。
取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)
槙野が「自分らしくない」という技ありのゴールを決め、浦和に待望の勝点3をもたらした。これでチームは第2ステージ8位に浮上。年間順位では3節ぶりに首位に復帰した。
立ち上がりから一進一退の攻防が続き、迎えた58分、柏木のペナルティエリア内への正確なキックを興梠が落とし、関根がグラウンダーのマイナスクロスを放つ。そして、ファーサイドにいた槙野が下がりながら身体を反転させ、右足を振り抜いた。
抑えの効いたシュートが湘南守備陣とGKの間をすり抜け、ゴールネットを揺らす。背番号5を中心に、赤く染まったスタンドが歓喜に包まれた。
「ペトロヴィッチ監督はミーティングで、『湘南は(同じシステムなので)ハメてくる。だから目の前の相手に勝つことがポイントになる』と話をしていた。だから、自分は相手を押し込み、ゴール前に入っていくことが大事になるかなと思っていた。試合の流れや相手の嫌がることを『読めていた』プレーや走りを出せた」
槙野はゴールの背景を、そのように明かした。
今季はこれで公式戦3点目。ACL4節の北京国安(△1-1)、リーグ戦10節の柏戦(△3-3)と、これまでは勝利に結び付かなかっただけに、喜びもひとしおの1点になった。
なにより「前線の選手がゴールを奪えているので、タイミングと時間帯には気を付けている。武藤、宇賀神との左サイドの3人での連係の質も高まっている。自然と動き出せて、マークを受け渡す声も出せている。そのなかで決められたゴールだった」という点を、大きな収穫に挙げていた。
一方、相手のカウンターから迎えた高山とのマッチアップを身を挺してストップし、身体を張ってシュートをブロックするなど、守備面でも“魅せた”。
「ミスからカウンターを受けて、危険な場面で1対1に持ち込まれたが、そういう場面でこそ球際で負けないことが大切。ピンチをチャンスに変えられるプレーだったと思う」
ペトロヴィッチ監督は槙野について、「中断前の甲府戦から日本代表の東アジアカップを含めると、これで6連戦になる。あのポジションは彼に代われる選手がいないから、この厳しい日程でも起用してきた」と語っていた。
しかも、その全試合をフル出場したのである。
全員攻撃、全員守備。どこからでもボールを奪い、そしてどこからでもゴールを奪うのが、浦和のスタイルだ。期待に応える一撃と気迫のこもった守備――まさにスタイルの象徴と言える槙野が、チームをぐっと前進させる推進力をもたらした。
取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)