酷い前半と4ゴールを挙げた後半…好対照な2つの45分間。
12月20日に行なわれたセリエA第17節、ミランは敵地でフロジノーネと対戦し、4-2の勝利を挙げた。
過去2節に続いて、降格圏内のチームとの対戦。2試合連続で不甲斐ない内容での引き分けに終わっており、このアウェーマッチはミハイロビッチ監督の去就をも決定しかねない重要な一戦と見られていた。
そしてもうひとつの注目は、本田のスタメン復帰。セリエAでは5節のウディネーゼ以来であり、彼にとっても重要な“審査”の場だった。
試合は立ち上がり、速い攻めの応酬となる。もっとも、互いに中盤での守備が機能しないため、簡単に相手ペナルティエリア前まで迫れたというのが真相である。
そんななかでペースを掴んだのはホームチーム。チャンスはミランのミスに起因するものが多かった。19分のD・チョファーニの先制ゴールは、GKからのパスを受けたディオニージがノープレッシャーで進攻し、難なくラストパスを通してのものだった。
対するミランは、攻撃では8分に本田のクロスをボナベントゥーラが胸で受け、これをニアングがシュート、GKが弾いたところをバッカが頭で詰め、再びGKにセーブされるという好機があったものの、以降は効果的なプレーを展開できなかった。
MFの後ろ2人(モントリーボ、ベルトラッチ)は攻撃に参加せず、本田とボナベントゥーラだけが何とかバッカとニアングの2トップにボールを繋ごうと奮闘するが、フロジノーネはゴール前に多くの人数を集めており、クロスを2人に通すことは困難だった。
しかし、前半終了間際にようやくモントリーボがポジションを上げると、それだけでもいくらかミランの攻撃は厚みを増した。
後半、ミランの前線でのプレーには連動性が生まれ、48分には本田がアバーテとのパス交換で抜け出し、右足で惜しいシュートを放つ(わずかに枠外)。そしてその2分後、速い攻めからバッカが中央へパス。これはDFに当たるも、近くにいた本田がダイレクトで右前にボールを送り、アバーテが角度のない位置から相手GKを破った。
55分には、DFのクリアをモントリーボがダイレクトでシュートし、浮いたボールをベルトラッチがヘッドで後ろに流すと、ボナベントゥーラが飛び出したGKより一瞬早くボールに触れてコースを変え、これをフリーのバッカが難なく詰めた。
逆転に成功したミランは、反撃に出たフロジノーネに対してパスワークで揺さぶりをかける余裕を見せたりもしたが、ここでロマニョーリがボールを奪われそうになってファウルを犯し、次節出場停止を意味するイエローをカードをもらうなど、所どころで選手個々に軽いプレーが散見した。
それでも、試合はミランペース。77分にはCKから完全フリーのアレックスが豪快に頭で叩き込んで追加点を挙げる。84分に1点を返されるも(FKからのディオニージの鮮やかなヘッド弾)、アディショナルタイムに本田→ベルトラッチ→ポーリと繋ぎ、スルーパスで抜け出したボナベントゥーラがダメ押し弾を突き刺した。
反省すべき点は多々あるとはいえ、4-2の勝利で年内最終戦を飾ったミラン。酷い前半と、4ゴールを生み出した後半という、対照的な2つの45分間だった。
本田は今シーズン、セリエAでは初のフル出場。アシストも決めた。やはりアバーテとのコンビは、何かを生み出す可能性を秘めている。
もっとも、好機で決められなかったり、中央へ切れ込んでからのシュートの際、スピードと意外性がなく、全て相手DFにブロックされるなど、不満な点はいくつも挙げることができる。
前半、後ろからの援護がない場面で孤立状態となり、効果的なプレーを見せられなかったのは本田の責任ではないが、ここで単独で強引に仕掛けてでも、打開する姿勢と力が彼のポジションには求められる。実際、左サイドのボナベントゥーラは相手の守備をこじ開けようと、あらゆるプレーを試みていた。
状況が整えば、本田が力を発揮できることは証明された。しかし、現在のミランは常に状況が整うチームではない(これは監督が悪いのか、選手個々が悪いのか……)。その時に見せられるプレーの幅と質で、本田とボナベントゥーラの差がこれまで以上に感じられた。
前半終了間際、格好の位置で得たFKを、本田ではなくボナベントゥーラが蹴った場面が印象的だった。昨シーズンなら我の強いメネーズに対しても譲らなかった本田の、現在の立場と状況が垣間見えた場面と言えよう。
過去2節に続いて、降格圏内のチームとの対戦。2試合連続で不甲斐ない内容での引き分けに終わっており、このアウェーマッチはミハイロビッチ監督の去就をも決定しかねない重要な一戦と見られていた。
そしてもうひとつの注目は、本田のスタメン復帰。セリエAでは5節のウディネーゼ以来であり、彼にとっても重要な“審査”の場だった。
試合は立ち上がり、速い攻めの応酬となる。もっとも、互いに中盤での守備が機能しないため、簡単に相手ペナルティエリア前まで迫れたというのが真相である。
そんななかでペースを掴んだのはホームチーム。チャンスはミランのミスに起因するものが多かった。19分のD・チョファーニの先制ゴールは、GKからのパスを受けたディオニージがノープレッシャーで進攻し、難なくラストパスを通してのものだった。
対するミランは、攻撃では8分に本田のクロスをボナベントゥーラが胸で受け、これをニアングがシュート、GKが弾いたところをバッカが頭で詰め、再びGKにセーブされるという好機があったものの、以降は効果的なプレーを展開できなかった。
MFの後ろ2人(モントリーボ、ベルトラッチ)は攻撃に参加せず、本田とボナベントゥーラだけが何とかバッカとニアングの2トップにボールを繋ごうと奮闘するが、フロジノーネはゴール前に多くの人数を集めており、クロスを2人に通すことは困難だった。
しかし、前半終了間際にようやくモントリーボがポジションを上げると、それだけでもいくらかミランの攻撃は厚みを増した。
後半、ミランの前線でのプレーには連動性が生まれ、48分には本田がアバーテとのパス交換で抜け出し、右足で惜しいシュートを放つ(わずかに枠外)。そしてその2分後、速い攻めからバッカが中央へパス。これはDFに当たるも、近くにいた本田がダイレクトで右前にボールを送り、アバーテが角度のない位置から相手GKを破った。
55分には、DFのクリアをモントリーボがダイレクトでシュートし、浮いたボールをベルトラッチがヘッドで後ろに流すと、ボナベントゥーラが飛び出したGKより一瞬早くボールに触れてコースを変え、これをフリーのバッカが難なく詰めた。
逆転に成功したミランは、反撃に出たフロジノーネに対してパスワークで揺さぶりをかける余裕を見せたりもしたが、ここでロマニョーリがボールを奪われそうになってファウルを犯し、次節出場停止を意味するイエローをカードをもらうなど、所どころで選手個々に軽いプレーが散見した。
それでも、試合はミランペース。77分にはCKから完全フリーのアレックスが豪快に頭で叩き込んで追加点を挙げる。84分に1点を返されるも(FKからのディオニージの鮮やかなヘッド弾)、アディショナルタイムに本田→ベルトラッチ→ポーリと繋ぎ、スルーパスで抜け出したボナベントゥーラがダメ押し弾を突き刺した。
反省すべき点は多々あるとはいえ、4-2の勝利で年内最終戦を飾ったミラン。酷い前半と、4ゴールを生み出した後半という、対照的な2つの45分間だった。
本田は今シーズン、セリエAでは初のフル出場。アシストも決めた。やはりアバーテとのコンビは、何かを生み出す可能性を秘めている。
もっとも、好機で決められなかったり、中央へ切れ込んでからのシュートの際、スピードと意外性がなく、全て相手DFにブロックされるなど、不満な点はいくつも挙げることができる。
前半、後ろからの援護がない場面で孤立状態となり、効果的なプレーを見せられなかったのは本田の責任ではないが、ここで単独で強引に仕掛けてでも、打開する姿勢と力が彼のポジションには求められる。実際、左サイドのボナベントゥーラは相手の守備をこじ開けようと、あらゆるプレーを試みていた。
状況が整えば、本田が力を発揮できることは証明された。しかし、現在のミランは常に状況が整うチームではない(これは監督が悪いのか、選手個々が悪いのか……)。その時に見せられるプレーの幅と質で、本田とボナベントゥーラの差がこれまで以上に感じられた。
前半終了間際、格好の位置で得たFKを、本田ではなくボナベントゥーラが蹴った場面が印象的だった。昨シーズンなら我の強いメネーズに対しても譲らなかった本田の、現在の立場と状況が垣間見えた場面と言えよう。