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【EURO2016開催地を巡る旅】第8回:リヨンとパルク・オランピック・リヨネ「2千年の歴史と光、美食で神々しく」

カテゴリ:連載・コラム

結城麻里

2016年05月24日

絶対王制を築いたOLとその新たな拠点となった豪華な“宝石”。

歴史の香りが随所で感じられる一方で、フランスの金融センターのひとつとして重要な役割を担い、また「美食の街」でもあり……非常に奥の深い都市だ。 (C) REUTERS/AFLO

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 連載も大詰めにさしかかってきた今回は、ローヌ川とソーヌ川に抱かれたフランス第3の都市、リヨン(人口約50万)を訪ねましょう。
 
「光の都」、「歴史の都」、「美食の都」として世界に名を馳せるこの街は、ボルドー同様、かなりの部分がユネスコ世界遺産に指定されています。
 
 また、5月7日に通算13回目となるチャンピオンズ・リーグ(CL)出場を決めた、オリンピック・リヨン――フランス語では「Olympique lyonnais(オランピック・リヨネ)」――(OL)のホームタウンでもあります。
 
――◇――◇――
 
 まずは、そのOLとスタジアムをご紹介しましょう。
 
 フランス・フットボール界の大重鎮ジャン=ミシェル・オラス会長が率いるOLは、2000年代に“絶対王制”ともいうべき黄金期を築きました。なにしろ、02年から08年まで7シーズン連続でフランス王者に君臨! これは、フランス最高記録です。
 
 FKの“巨匠”ジュニーニョ・ペルナンブカーノをはじめ、カリム・ベンゼマ、エリック・アビダル、マイケル・エッシェン、クリス、シドニー・ゴブ、グレゴリー・クペといった名手を揃えたこのクラブに、国内では当時、どのクラブも太刀打ちできませんでした。
 
 いえ、国内だけではありません。この時代のOLは、欧州の舞台でも躍動。12年連続でCL出場を果たし、09-10シーズンには準決勝まで到達したのです。
 
 これは男子チームの話ですが、女子に至ってはもっと凄い! 8年連続、計13回もフランス王者に君臨、さらには2年連続でCL優勝を果たしたのですから。
 
 こうした栄華を支えてきたのが、超ハイクオリティーの育成センターです。
 
 現在、レアル・マドリーで活躍するベンゼマをはじめ、バルセロナ行きが噂されているアテム・ベン・アルファ(現ニース)、昨シーズンのフランス得点王、アレクサンドル・ラカゼットといった有能なタレントを続々と輩出。現チームも、優秀な生え抜きで構成されています。
 
 その育成力は非常に高く、14年には「欧州5大国で活躍する選手を多く輩出したクラブ」という指標で、あのバルセロナに次ぐ2位に輝きました。
 
 そんなOLは今年、また“快挙”を成し遂げました。歴史を刻んだ旧スタジアムの「ジェルラン」に別れを告げ、ついに“自前の”大スタジアム(5万8千人収容)を建設したのです。
 
 しかも、トレーニング場やメディカルセンター、さらにはホテル、レストラン、プール、博物館、レジャーランドまで備えた豪華施設! それらの全収益が100パーセント、クラブに入るという点で、“フランス初”のスタジアムです。
 
 この煌びやかな施設全体の名は、「パルク・オランピック・リヨネ(パルクOL)」。スタジアムの名はこれからつけられますが、美しさでマルセイユと競う、フランス屈指の“宝石”です。
 
 1月9日に行なわれたこけら落としゲーム(リーグアンのトロワ戦)では、前述のラカゼットが新スタジアム開幕記念初ゴールを決めています。会長の夢が、ついに叶った瞬間でもありました。
 
 ここでもEURO2016の試合が開催されますが、スタジアムが豪華なら、カードも豪華!ベルギーとイタリアが激突する他、準決勝の1試合もここで行なわれます。
 
 ちなみに少し先の話ではありますが、19年女子ワールドカップのファイナルの舞台も、ここに決まっています。

フランス・サッカー界を席巻した7連覇当時のOL。名手ジュニーニョ(中央)をはじめ、個々が魅力に富んでいた。 (C) REUTERS/AFLO

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1998年フランス・ワールドカップの会場にもなったジェルランに代わり、OL、そしてフランス・サッカー界の歴史を紡いでいくことになったパルク・オリンピック・リヨン。 (C) REUTERS/AFLO

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【パルク・オランピック・リヨネでの開催試合】
6月13日:ベルギー vs イタリア
6月16日:ウクライナ vs 北アイルランド
6月19日:ルーマニア vs アルバニア
6月22日:ハンガリー vs ポルトガル
6月26日:グループA1位 vs グループC・D・E3位
7月6日:準決勝
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