古巣の大観衆から送られたのは、万雷の拍手だった。
ブーイングも覚悟していた。
移籍してから初めて迎える名古屋戦を前に「レッズを出て埼玉スタジアムへ戻ったときに5万人以上からブーイングを浴びたこともあるからね」と静かな口調で話していた田中マルクス闘莉王は、ウォーミングアップでピッチに姿を現すと、まず敵地まで駆けつけた京都サポーターへの挨拶を済ませた後、チームメイトの下を離れて名古屋陣内へ向かっていった。
ゴール裏、メイスタンド、バックスタンド…四方へ頭を下げた彼にスタジアムの大観衆から送られたのは、万雷の拍手だった。
「温かいですね。自分が(名古屋を)出ていきたかったわけじゃない。グランパスに関わっている少々の人には人間として付き合っていけないけれど、グランパスというブランドを愛する気持ちは変わらない」と試合後には古巣への感謝と愛情を口にしている。
闘莉王にとっても、名古屋に関わる人たちにとっても、特別な想いを抱いて行われた試合は1-1の引き分け。3万6千人以上が集まった敵地で先制点を奪いながら、終了間際に追いつかれた展開に「決して悪い試合ではなかったけれど、勝ち切らないとなんにもならない」と悔しさを露にしていた。
一時はJ3降格圏内まで順位を落とした京都が、ここ4試合は2勝2分と復調しつつある。
その原動力のひとつとなっているのが闘莉王のFW起用だ。8節の愛媛戦を前に、布部陽功監督は3バックから4バックへのシステム変更を決断。さらに負傷が癒えて復帰戦となる闘莉王を、これまでの最終ラインではなく前線に配置した。
その効果はいきなり発揮される。試合終了間際の劇的決勝弾を含むハットトリックでチームを勝利に導くと、そこから3試合連続得点を記録。得点以外でも、192センチのFWケヴィン・オリスと形成するツインタワーは前線の起点になっている。
これまでは後方からパスをつなごうとして相手のプレッシャーをかいくぐれずにいたが、高さのある前線へのシンプルなロングキックも取り入れることで攻撃が機能しはじめた。
移籍してから初めて迎える名古屋戦を前に「レッズを出て埼玉スタジアムへ戻ったときに5万人以上からブーイングを浴びたこともあるからね」と静かな口調で話していた田中マルクス闘莉王は、ウォーミングアップでピッチに姿を現すと、まず敵地まで駆けつけた京都サポーターへの挨拶を済ませた後、チームメイトの下を離れて名古屋陣内へ向かっていった。
ゴール裏、メイスタンド、バックスタンド…四方へ頭を下げた彼にスタジアムの大観衆から送られたのは、万雷の拍手だった。
「温かいですね。自分が(名古屋を)出ていきたかったわけじゃない。グランパスに関わっている少々の人には人間として付き合っていけないけれど、グランパスというブランドを愛する気持ちは変わらない」と試合後には古巣への感謝と愛情を口にしている。
闘莉王にとっても、名古屋に関わる人たちにとっても、特別な想いを抱いて行われた試合は1-1の引き分け。3万6千人以上が集まった敵地で先制点を奪いながら、終了間際に追いつかれた展開に「決して悪い試合ではなかったけれど、勝ち切らないとなんにもならない」と悔しさを露にしていた。
一時はJ3降格圏内まで順位を落とした京都が、ここ4試合は2勝2分と復調しつつある。
その原動力のひとつとなっているのが闘莉王のFW起用だ。8節の愛媛戦を前に、布部陽功監督は3バックから4バックへのシステム変更を決断。さらに負傷が癒えて復帰戦となる闘莉王を、これまでの最終ラインではなく前線に配置した。
その効果はいきなり発揮される。試合終了間際の劇的決勝弾を含むハットトリックでチームを勝利に導くと、そこから3試合連続得点を記録。得点以外でも、192センチのFWケヴィン・オリスと形成するツインタワーは前線の起点になっている。
これまでは後方からパスをつなごうとして相手のプレッシャーをかいくぐれずにいたが、高さのある前線へのシンプルなロングキックも取り入れることで攻撃が機能しはじめた。