「誰にも相談ができず、我慢するしかないと思っていた」
どうもオレンジに元気がない。本家オランダ代表は、EUROに続きワールドカップ予選でも苦境に立たされ、ダニー・ブリント監督が解任された。Jリーグでは「しぶとく落ちない」ことが伝説化されてきたが、新潟だけが継承中で、大宮、清水が立て続けに降格を経験した。ただしフットサル界は対照を成し、シュライカー大阪がFリーグに続き全日本選手権も制し、オレンジ旋風をアピールしたばかりだ。そして私的な話で恐縮だが、実は僕もオレンジカラーのチームから元気をもらっている。
オレンジソックスは、「障害者と健常者が垣根を越えて活動する」ことをモットーとするフットサルクラブだ。知人に誘われて幸い活動拠点も徒歩圏内なので、毎週通うようになった。
クラブ代表の宗像敏也くんは、誕生日を迎えたばかりの34歳。代表選挙では、創設から8年連続して満票を獲得しており、メンバーからは揺るぎない信頼を寄せられている。ボランティア活動の計画から当日のメニュー作りまでを精力的にこなし、明快に伝達し牽引していく姿を見れば、理想のリーダーとしか映らない。
だがこれまでの足跡に耳を傾ければ、想像を超えてヘビーだ。
「精神的に不安定になると気持ちが悪くなり、トイレに入って嘔吐や下痢を繰り返す。そんな症状が出始めたのが小学5年生の頃でした。誰にも相談が出来ず、我慢するしかないと思っていました。ある時テレビをつけたらパニック障害を取り上げていて、これが当てはまると……」
やがて引きこもりになり、一念発起して高校受験の会場に向かうが、どうしても校門の中には踏み込めず、6時間近くも徘徊してから帰宅した。
「親はそれを知りません。滑り止めの方も普通に受験をして落ちたことになっています」と、今だから笑って話せる。
「結局定時制の高校に進学するのですが、症状は悪化するばかり。このままでは仕事も出来ないし、死ぬしかないかな……、と考えていました」
20歳を過ぎた頃にカウンセリングを受診できる病院が見つかり、少しずつ社会復帰へ向けて歩み出す。
「人込みがダメで電車にも乗れない。最初は人の少ない早朝とかに一駅乗ることから始めました」
結局重症の青年を快方へと向かわせたのはスポーツだった。
オレンジソックスは、「障害者と健常者が垣根を越えて活動する」ことをモットーとするフットサルクラブだ。知人に誘われて幸い活動拠点も徒歩圏内なので、毎週通うようになった。
クラブ代表の宗像敏也くんは、誕生日を迎えたばかりの34歳。代表選挙では、創設から8年連続して満票を獲得しており、メンバーからは揺るぎない信頼を寄せられている。ボランティア活動の計画から当日のメニュー作りまでを精力的にこなし、明快に伝達し牽引していく姿を見れば、理想のリーダーとしか映らない。
だがこれまでの足跡に耳を傾ければ、想像を超えてヘビーだ。
「精神的に不安定になると気持ちが悪くなり、トイレに入って嘔吐や下痢を繰り返す。そんな症状が出始めたのが小学5年生の頃でした。誰にも相談が出来ず、我慢するしかないと思っていました。ある時テレビをつけたらパニック障害を取り上げていて、これが当てはまると……」
やがて引きこもりになり、一念発起して高校受験の会場に向かうが、どうしても校門の中には踏み込めず、6時間近くも徘徊してから帰宅した。
「親はそれを知りません。滑り止めの方も普通に受験をして落ちたことになっています」と、今だから笑って話せる。
「結局定時制の高校に進学するのですが、症状は悪化するばかり。このままでは仕事も出来ないし、死ぬしかないかな……、と考えていました」
20歳を過ぎた頃にカウンセリングを受診できる病院が見つかり、少しずつ社会復帰へ向けて歩み出す。
「人込みがダメで電車にも乗れない。最初は人の少ない早朝とかに一駅乗ることから始めました」
結局重症の青年を快方へと向かわせたのはスポーツだった。