2016-17シーズンのチャンピオンズ・リーグ(CL)は、レアル・マドリーが4-1でユベントスを撃破し、CLとしては史上初の連覇、チャンピオンズ・カップ時代を含めて最多の12回目となる欧州制覇を果たして幕を閉じた。
これにより、マドリーの偉大さと価値がさらに高めるこことなったわけだが、今シーズンのCLにおける収益を見ると、実は彼らよりもユベントスの方が上を行っている。
イタリアの王者がこのカップ戦で得た収益は1億920万ユーロで、これは歴代最高の数字である。一方、マドリーは8090万ユーロであり、両チームのあいだには日本円で36億円ほどの差が生じているのだ。
CLでは、出場した各クラブに分配される賞金総額は約13億ユーロ(!)で、これは、成績に合わせて支払われる総額7億6190万ユーロと、マーケット面での分配金5億700万ユーロの2つに分けられる。
前者については、CLに出場した時点で各チームに1270万ユーロが、グループステージでは試合ごとに、勝つと150万ユーロ、引き分けると50万ユーロが支払われる。ちなみに今シーズンの成績は、マドリーが3勝3分け、ユベントスは4勝2分けだった。
以降、決勝トーナメント1回戦で600万ユーロ、準々決勝で650万ユーロ、準決勝で750万ユーロが、それぞれ勝者に支払われ、決勝については、勝者は1550万ユーロ、敗者は1100万ユーロを受け取ることとなる。
これだけを見ると、マドリーはユベントスよりも350万ユーロ上回っているのだが、順位が逆転した原因はマーケット面の分配金にある。
これはテレビ放映権などによるもので、こちらの分配は国単位で行なわれることとなっている。そして成績が高いほど配分率が高くなるため、上位進出を果たしたチームが多い国ほど、各チームの取り分は少なくなっていく仕組みとなっている。
スペインは、優勝したマドリーの他、アトレティコ・マドリーが準決勝へ、バルセロナが準々決勝へ進出し、セビージャも決勝トーナメント1回戦まで駒を進めた。
一方、イタリアはローマがプレーオフで敗れたため、本戦出場チーム自体がユベントスとナポリの2チームだけ。そしてナポリも、決勝トーナメント1回戦でマドリーに敗れたことで、ユベントスがほぼ“総取り”状態となったのである。
この差が、逆転現象と過去最高の収益を生み出した。同様の理由から、ベスト16止まりのナポリは、ベスト8のバルセロナを上回っている。なお、収益額のベスト10は以下の通りだ。
1位 ユベントス 1億920万ユーロ
2位 レアル・マドリー 8090万ユーロ
3位 ナポリ 6570万ユーロ
4位 アーセナル 6240万ユーロ
5位 バルセロナ 6130万ユーロ
6位 アトレティコ・マドリー 5990万ユーロ
7位 パリ・サンジェルマン 5620万ユーロ
8位 バイエルン 5530万ユーロ
8位 モナコ 5530万ユーロ
10位 ドルトムント 5320万ユーロ