内容と結果が噛み合った、特筆すべき8連勝。
湘南ベルマーレが快調に勝ち続けている。4月20日に大分トリニータを破り、開幕からの連勝は8に伸びた。これは2000年の浦和レッズに並ぶ、J2タイ記録。ちなみに浦和の8連勝には、延長Vゴール勝ちも含まれている。
8連勝という結果だけで十分に称賛できるが、内容もまた素晴らしい。総得点25はリーグ最多で、総失点3ももちろん最少。シュート数でも142本撃ち、半分の70本しか撃たれていない。
この数字が物語るのは湘南が試合内容で敵を圧倒し、その内容をそのままスコアに結びつけているということ。内容と結果がなかなか噛み合わないサッカーにおいて、これは特筆に値する。
湘南には、「敵陣で試合を進める」という哲学がある。
攻守の切り替えが素早く、ボールを失っても敵陣で瞬く間に敵を包囲する。複数の選手がボールに殺到する様子は、まさにボール狩り。局面に次々と選手が飛び込んでいき、ボールを奪うと一気にフィニッシュまで持ち込む。人数でも体力でも集中力でも、敵を圧倒するのだ。
この冒険的でダイナミックなスタイルを築き上げた曺貴裁監督は、ドルトムントを信奉することで知られる。
だが、大分戦でぼくが連想したのはチリ代表だった。無尽蔵の体力と卓越した技術によって局面を打開するチリ代表は、休みなく稼働し続ける「チャンス製造工場」。湘南も負けていない。少しでも目を離すと決定機が生まれ、シュートが放たれている。
この素晴らしい湘南を目の当たりにして、ふと思った。「去年のぼくは、間違ったことを考えていたのかもしれない」と。
2012年、曺監督は就任1年目で攻撃的なスタイルを構築し、湘南をJ1に昇格させた。翌年のJ1でも彼らは「敵陣で試合を進める」スタイルを貫いたが、さすがにJ1では勝点を落とすゲームが相次いだ。こうした試合を見ていて、「守りを固めればいいのに」と思ったのだ。
結局、湘南は信念を貫き、16位でJ2に降格する。この判断について眞壁潔社長は、こう語っている。
「去年の序盤戦、散々攻められた試合があって、そのときロッカールームから曺監督の声が聞こえてきたんです。“引くか? 引いたらぼろぼろにされるぞ。俺は引く気はない”という声が。それを聞いて、わたしは彼を守ろうと思ったんです」
曺監督の姿勢を眞壁社長は支持した。なぜならJ1残留は大事だが、湘南にとってはそれがすべてではないからだ。
8連勝という結果だけで十分に称賛できるが、内容もまた素晴らしい。総得点25はリーグ最多で、総失点3ももちろん最少。シュート数でも142本撃ち、半分の70本しか撃たれていない。
この数字が物語るのは湘南が試合内容で敵を圧倒し、その内容をそのままスコアに結びつけているということ。内容と結果がなかなか噛み合わないサッカーにおいて、これは特筆に値する。
湘南には、「敵陣で試合を進める」という哲学がある。
攻守の切り替えが素早く、ボールを失っても敵陣で瞬く間に敵を包囲する。複数の選手がボールに殺到する様子は、まさにボール狩り。局面に次々と選手が飛び込んでいき、ボールを奪うと一気にフィニッシュまで持ち込む。人数でも体力でも集中力でも、敵を圧倒するのだ。
この冒険的でダイナミックなスタイルを築き上げた曺貴裁監督は、ドルトムントを信奉することで知られる。
だが、大分戦でぼくが連想したのはチリ代表だった。無尽蔵の体力と卓越した技術によって局面を打開するチリ代表は、休みなく稼働し続ける「チャンス製造工場」。湘南も負けていない。少しでも目を離すと決定機が生まれ、シュートが放たれている。
この素晴らしい湘南を目の当たりにして、ふと思った。「去年のぼくは、間違ったことを考えていたのかもしれない」と。
2012年、曺監督は就任1年目で攻撃的なスタイルを構築し、湘南をJ1に昇格させた。翌年のJ1でも彼らは「敵陣で試合を進める」スタイルを貫いたが、さすがにJ1では勝点を落とすゲームが相次いだ。こうした試合を見ていて、「守りを固めればいいのに」と思ったのだ。
結局、湘南は信念を貫き、16位でJ2に降格する。この判断について眞壁潔社長は、こう語っている。
「去年の序盤戦、散々攻められた試合があって、そのときロッカールームから曺監督の声が聞こえてきたんです。“引くか? 引いたらぼろぼろにされるぞ。俺は引く気はない”という声が。それを聞いて、わたしは彼を守ろうと思ったんです」
曺監督の姿勢を眞壁社長は支持した。なぜならJ1残留は大事だが、湘南にとってはそれがすべてではないからだ。