なぜ、彼は移籍を断念しなければいけなかったのか。
今から約1か月前、ある選手の移籍に関する話題が、サッカー界で物議を醸した。渦中の人となったのは、かつてアーセナルやガラタサライで活躍したエマヌエル・エブエだ。
欧州の名門を渡り歩いた元コートジボワール代表DFは、今夏にキプロスのリマソルへの加入が決定していた。にもかかわらず、「メディカルチェックの際、血液からHIVウイルスが検出されて契約を断念した」と、トルコ紙『Fanatik』が大々的に報道したのである。
これがきっかけとなり、エブエに関する噂は瞬く間に世界へ拡散され、この日本でもサッカーメディアを中心に取り上げられ、多くのファンが話題にしていたのが記憶に新しい。
そんな騒動の真実はいかなるものなのか? 11月13日、アーセナルの公認ファンクラブ『アーセナルジャパン』の15周年記念パーティーのために来日をしていたエブエ本人に直撃した。その言葉には、やりきれない現況に対する自身の想いと、それでも前を向くという元来のポジティブシンキングが詰まっていた。
まずは、その経緯から聞くことにした。なぜ、このような事態に陥ったのかだ。すると、エブエは少し神妙な面持ちで口を開いた。
「まず、リマソルからオファーを受けて、僕はイングランドとキプロスでメディカルチェックを受け、それをパスした。そして、契約書にもサインをした。なんでもやるつもりだった……」
しかし、契約するはずだったリマソルから翌日に連絡を受け、「『君には問題がある』と言われた」という。エブエは泣く泣く、活動拠点としていたイングランドへのとんぼ返りを余儀なくされたのだ。
戻ってから受け直したというメディカルチェックでは、「何の問題もなかった」と話すエブエは、トルコ紙の報道で話題となったHIVについても真実を語った。
「全くのデタラメさ。担当のドクターだって、『全くの事実無根。そんなことは一言も言っていない。彼はすべてをパスした』と、テレビの前で話してくれた。だから、そんな事実はないんだ」
エブエが移籍騒動に巻き込まれたのは、実はこれが初めてではない。2016年3月、元代理人のセバスティアン・ボワソー氏との金銭トラブルが原因でFIFAから1年間の活動停止処分を科され、所属したサンダーランドとの契約を打ち切られていた。
サンダーランドの時は契約してからわずか1か月で解雇、そして今年10月の騒動に関しては、契約からわずか1日で破棄された。笑顔が売りの韋駄天も、これら一連の出来事には「移籍に関するFIFAとの問題は、僕にとってとても辛いものだった」と心境を明かして、眉をひそめた。
「僕は、フットボールの後ろに政治的な何かが動いていると感じるよ」
欧州の名門を渡り歩いた元コートジボワール代表DFは、今夏にキプロスのリマソルへの加入が決定していた。にもかかわらず、「メディカルチェックの際、血液からHIVウイルスが検出されて契約を断念した」と、トルコ紙『Fanatik』が大々的に報道したのである。
これがきっかけとなり、エブエに関する噂は瞬く間に世界へ拡散され、この日本でもサッカーメディアを中心に取り上げられ、多くのファンが話題にしていたのが記憶に新しい。
そんな騒動の真実はいかなるものなのか? 11月13日、アーセナルの公認ファンクラブ『アーセナルジャパン』の15周年記念パーティーのために来日をしていたエブエ本人に直撃した。その言葉には、やりきれない現況に対する自身の想いと、それでも前を向くという元来のポジティブシンキングが詰まっていた。
まずは、その経緯から聞くことにした。なぜ、このような事態に陥ったのかだ。すると、エブエは少し神妙な面持ちで口を開いた。
「まず、リマソルからオファーを受けて、僕はイングランドとキプロスでメディカルチェックを受け、それをパスした。そして、契約書にもサインをした。なんでもやるつもりだった……」
しかし、契約するはずだったリマソルから翌日に連絡を受け、「『君には問題がある』と言われた」という。エブエは泣く泣く、活動拠点としていたイングランドへのとんぼ返りを余儀なくされたのだ。
戻ってから受け直したというメディカルチェックでは、「何の問題もなかった」と話すエブエは、トルコ紙の報道で話題となったHIVについても真実を語った。
「全くのデタラメさ。担当のドクターだって、『全くの事実無根。そんなことは一言も言っていない。彼はすべてをパスした』と、テレビの前で話してくれた。だから、そんな事実はないんだ」
エブエが移籍騒動に巻き込まれたのは、実はこれが初めてではない。2016年3月、元代理人のセバスティアン・ボワソー氏との金銭トラブルが原因でFIFAから1年間の活動停止処分を科され、所属したサンダーランドとの契約を打ち切られていた。
サンダーランドの時は契約してからわずか1か月で解雇、そして今年10月の騒動に関しては、契約からわずか1日で破棄された。笑顔が売りの韋駄天も、これら一連の出来事には「移籍に関するFIFAとの問題は、僕にとってとても辛いものだった」と心境を明かして、眉をひそめた。
「僕は、フットボールの後ろに政治的な何かが動いていると感じるよ」