「それなりの奪回力、パスワーク、推進力が必要」
日本代表のOBとして、現在のハリルジャパンを松井大輔はどう見ているのか。
ポーランド2部リーグのオードラ・オポーレに籍を置く名ドリブラー。年末年始はウインターブレイクのため日本国内で過ごし、英気を養ったという。そんななか、東アジアカップ(E-1選手権)の3試合も観戦。日韓戦の1-4惨敗を目の当たりにした。
「まあ、やっぱり日韓戦というだけで、すごく言われますよね。そこはどうしても。韓国は最終戦(日本戦)で絶対勝たなきゃいけなかったわけで、かなり気合いが入ってた。結果的にサッカーの上でも一枚も二枚も上手で、落ち着いてボールをしっかり繋いでましたね。高さと強さを活かす、日本がいちばん嫌いな戦い方を仕掛けてきて、プラス、フリーキックで点を取って。完敗じゃないですか。押し込まれる時間帯が多かったし、日本は単発な攻めしかできなかった。川又(堅碁)が入ってからは活性化しましたけど、なかなか難しい試合でしたね」
思えば、松井が出場した南アフリカ・ワールドカップの直前も、日本代表はガタついていた。岡田武史監督率いるチームは壮行試合や現地入りしてからのテストマッチで結果を残せず、指揮官は楢﨑正剛、中村俊輔に代え、川島永嗣、本田圭佑をスタメンに登用するなど、大ナタを振って刷新を図った。
今後ハリルジャパンには、どんなアプローチが必要になってくるのか。
「僕らの時はとにかく、ミーティングを繰り返しました。本大会直前に韓国、イングランド、コートジボワールとやって3連敗。負けはしましたけど、あれはあれで強いチームとやって自分たちの力を図れたし、結果的には良かったんじゃないかなと思います。負けることで学ぶことは多いですから。だからいまの代表チームにとっても、どうしたらいいのかを見つめなおすいい時間になるんじゃないですかね。4年前のブラジル大会の時はチームの調子が良くて全部勝ってて、『俺たち行けるんじゃないか』と勘違いしてたと思うんです。いまはそれとは違う、足下をしっかり見れる雰囲気だと、そうポジティブに捉えればいいと思うんですよ。ひとついい勝ち方をすれば空気は変わるし、そうなればサッカーは分からない。きっかけを掴んでくれればなと期待しています」
チームパフォーマンスを観ながら、どうにも気になるポジションがあると松井は話す。4-3-3システムのダブルシャドー(インサイドハーフ)。現代サッカーの肝といっても過言ではないポジションが、いまひとつ機能していないように映るようだ。
「引っかかるのは、やっぱりあの2列目中央の2枚のところ。いまのヨーロッパの選手たちは、あそこのポジションでコンちゃん(今野泰幸)くらいのボール奪回力にプラス、ボールを回す能力も求められてますよ。それなりの奪回力、パスワーク、推進力が必要。1トップだからシャドーが前に行かないといけない。その意味では、ヤットさん(遠藤保仁)みたいなタイプの選手はいまの代表チームには必要だし、レアルの(ルカ・)モドリッチ、バルサの(セルヒオ・)ブスケッツもそう。あとは(アンドレア・)ピルロのようなね。前に行けて、ボールも獲れる選手じゃないと務まらないでしょう。いまの代表はあそこで前に付けれないし、パスも回せないから攻撃が単調になってる。本来はシャドーのはずが、3人のボランチの延長というか、ボランチの変形型みたいになってますよ。そこからパワーアップしないと。個人的にはどうなっていくのか、楽しみではありますけどね」
ポーランド2部リーグのオードラ・オポーレに籍を置く名ドリブラー。年末年始はウインターブレイクのため日本国内で過ごし、英気を養ったという。そんななか、東アジアカップ(E-1選手権)の3試合も観戦。日韓戦の1-4惨敗を目の当たりにした。
「まあ、やっぱり日韓戦というだけで、すごく言われますよね。そこはどうしても。韓国は最終戦(日本戦)で絶対勝たなきゃいけなかったわけで、かなり気合いが入ってた。結果的にサッカーの上でも一枚も二枚も上手で、落ち着いてボールをしっかり繋いでましたね。高さと強さを活かす、日本がいちばん嫌いな戦い方を仕掛けてきて、プラス、フリーキックで点を取って。完敗じゃないですか。押し込まれる時間帯が多かったし、日本は単発な攻めしかできなかった。川又(堅碁)が入ってからは活性化しましたけど、なかなか難しい試合でしたね」
思えば、松井が出場した南アフリカ・ワールドカップの直前も、日本代表はガタついていた。岡田武史監督率いるチームは壮行試合や現地入りしてからのテストマッチで結果を残せず、指揮官は楢﨑正剛、中村俊輔に代え、川島永嗣、本田圭佑をスタメンに登用するなど、大ナタを振って刷新を図った。
今後ハリルジャパンには、どんなアプローチが必要になってくるのか。
「僕らの時はとにかく、ミーティングを繰り返しました。本大会直前に韓国、イングランド、コートジボワールとやって3連敗。負けはしましたけど、あれはあれで強いチームとやって自分たちの力を図れたし、結果的には良かったんじゃないかなと思います。負けることで学ぶことは多いですから。だからいまの代表チームにとっても、どうしたらいいのかを見つめなおすいい時間になるんじゃないですかね。4年前のブラジル大会の時はチームの調子が良くて全部勝ってて、『俺たち行けるんじゃないか』と勘違いしてたと思うんです。いまはそれとは違う、足下をしっかり見れる雰囲気だと、そうポジティブに捉えればいいと思うんですよ。ひとついい勝ち方をすれば空気は変わるし、そうなればサッカーは分からない。きっかけを掴んでくれればなと期待しています」
チームパフォーマンスを観ながら、どうにも気になるポジションがあると松井は話す。4-3-3システムのダブルシャドー(インサイドハーフ)。現代サッカーの肝といっても過言ではないポジションが、いまひとつ機能していないように映るようだ。
「引っかかるのは、やっぱりあの2列目中央の2枚のところ。いまのヨーロッパの選手たちは、あそこのポジションでコンちゃん(今野泰幸)くらいのボール奪回力にプラス、ボールを回す能力も求められてますよ。それなりの奪回力、パスワーク、推進力が必要。1トップだからシャドーが前に行かないといけない。その意味では、ヤットさん(遠藤保仁)みたいなタイプの選手はいまの代表チームには必要だし、レアルの(ルカ・)モドリッチ、バルサの(セルヒオ・)ブスケッツもそう。あとは(アンドレア・)ピルロのようなね。前に行けて、ボールも獲れる選手じゃないと務まらないでしょう。いまの代表はあそこで前に付けれないし、パスも回せないから攻撃が単調になってる。本来はシャドーのはずが、3人のボランチの延長というか、ボランチの変形型みたいになってますよ。そこからパワーアップしないと。個人的にはどうなっていくのか、楽しみではありますけどね」