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ズバリ聞きます「代表選手の選考基準」は?「海外遠征」の効果は出ている?|森山佳郎×岩政大樹#4

カテゴリ:連載・コラム

岩政大樹

2018年03月08日

高体連の選抜チームや年代別の代表は、4~7月生まれの選手が7、8割を占めている。それくらい早熟系が目立つ年代。

優秀な芽をいかに発掘していくかは、育成年代指導者の永遠の課題だ。(C)Getty Images

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 最終回は気になる「選手選考」に踏み込む。育成年代の代表監督はどんな基準で選手を選ぶのだろうか?「選手選考」の難しさについても話を訊いた。

―――◆―――◆―――◆―――

岩政大樹
 代表監督は、選手を選ぶ立場です。その際に、将来を考えるとこの選手を伸ばしたいが、今の時点だとこの選手を使ったほうが勝てるだろう、という悩みがあると思います。
 
森山佳郎 私は第一に、プロで活躍できそうな選手を呼びたいと思っています。ただ、それでアジア予選に負けたら、世界には出られない。アジアを突破できるとワールドカップまで強化期間が1年延びるので、海外遠征ですごい体験を積み重ねられますから、当然そこも考慮します。
 
 とはいえ、15、16歳くらいだと目立つのは早熟の選手が多い。我々はその状況で選ぶしかない側面もありますし、しかも今回のU-17アジア最終予選は、訳の分からないレギュレーションがある。1次予選に出た選手以外は、2000年の9月生まれ以降でないと出られない。つまり、1月~9月生まれの選手は呼べないんです。
 
岩政 それはおかしな話ですね。
 
森山 ですよね。1~3月の早生まれは、1学年上だから当然良い選手がいる。加えて、高体連の選抜や年代別の代表でも、だいたい早熟系の4~7月生まれの選手が7、8割を占めている。それくらい、この年代では早熟系が目立つんです。
 
 海外も同じで、1月に切れ目があるから、9~12月がいないらしいんです。どこの国もそういう問題を抱えている。特に15~17歳くらいの時は晩熟系の選手を拾うのが難しいという現実があります。
岩政 育成年代特有の課題ですね。
 
森山 今までの傾向で言えば、日本は晩熟系の選手が伸びていく。なぜかと言えば、身体の成長が追いつかない中でいろいろ工夫したり、考えながらプレーしているからだと思うんです。
 
 私が今、監督をしているU-16代表は、4月から高校1年生の年代なので、選手はほぼほぼ試合に出られません。だから、私は選手にいつも言うんです。「試合に出た選手を集めるから」と。そうするとチームで必死にレギュラーを取ろうとしますからね。2000年にU-16代表を指導した時は、最終予選の前に12,3人くらいはレギュラーになっていました。
 
 やっぱり世界と戦うには、国内でふたつくらい年齢が上の選手と普通にやれるくらいじゃないと厳しい。今はアジアでもイラン、イラクとか、北朝鮮や韓国、オーストラリアもいるしウズベキスタンも強い。特にイランやイラク、ウズベキスタンはフィジカル能力が違うから、日本のふたつ上の年代くらいなんです。技術的には日本も負けてないし、アジアではそこで勝負すべきなんだろうけど、フィジカルでも要求しないと最終予選では戦えません。
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