ブラジルW杯 日本戦の開催都市を巡る|クイアバ(6.24コロンビア戦)

カテゴリ:国際大会

2014年05月30日

パウラさんの予言は当たった。

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世界遺産に登録されている世界最大級の湿原の名が付けられたアレーナ・パンタナールは、工事が大幅に遅れたスタジアムのひとつ。日本対コロンビア戦の会場だ。 (C) Getty Images

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 深夜、クイアバに到着したぼくは空腹で死にそうだった。
 
 安宿のお兄さんに「何か食べるものないですか?」と尋ねると、「15分歩くと『サブウェイ』があるよ」と教えてくれた。
 
 だだっ広い平原に切り拓かれたクイアバは、夜になると真っ暗。3分で襲われそうな気がする。
「こんな時間に出歩いたら襲われるんじゃないの?」と尋ねると、お兄さんは笑い出した。
「そりゃあクイアバもブラジルだけどさ、襲われるわけないって。こんな平和な街はないんだから」
 
 ぼくは小走りでサブウェイに向かった。怖かったし、一刻も早く何か口にしたかったからだ。幸い道中、襲われることはなかった。
 
 サブウェイで注文にまごついていると、前に並んでいた夫婦が助けてくれた。そして「一緒に食べよう」と言い出した。一緒に食べていたら、今度は夜中の12時だというのに「街を案内する」と言い出す。
 
 親切な夫婦は、車で緑豊かな公園やご当地名物、川魚が旨いレストラン、工事の遅れで有名になったスタジアムを廻ってくれた。
 
 思わぬ親切に感激して「オブリガード(ありがとう)」を連発するぼくに、サンパウロ出身の妻パウラさんが言った。
「クイアバの人はたぶん、ブラジルでもいちばん親切よ。明日からも、きっとあなたの前に親切な人が現われるはずよ」
 
 パウラさんの予言は当たった。

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