パウラさんの予言は当たった。
深夜、クイアバに到着したぼくは空腹で死にそうだった。
安宿のお兄さんに「何か食べるものないですか?」と尋ねると、「15分歩くと『サブウェイ』があるよ」と教えてくれた。
だだっ広い平原に切り拓かれたクイアバは、夜になると真っ暗。3分で襲われそうな気がする。
「こんな時間に出歩いたら襲われるんじゃないの?」と尋ねると、お兄さんは笑い出した。
「そりゃあクイアバもブラジルだけどさ、襲われるわけないって。こんな平和な街はないんだから」
ぼくは小走りでサブウェイに向かった。怖かったし、一刻も早く何か口にしたかったからだ。幸い道中、襲われることはなかった。
サブウェイで注文にまごついていると、前に並んでいた夫婦が助けてくれた。そして「一緒に食べよう」と言い出した。一緒に食べていたら、今度は夜中の12時だというのに「街を案内する」と言い出す。
親切な夫婦は、車で緑豊かな公園やご当地名物、川魚が旨いレストラン、工事の遅れで有名になったスタジアムを廻ってくれた。
思わぬ親切に感激して「オブリガード(ありがとう)」を連発するぼくに、サンパウロ出身の妻パウラさんが言った。
「クイアバの人はたぶん、ブラジルでもいちばん親切よ。明日からも、きっとあなたの前に親切な人が現われるはずよ」
パウラさんの予言は当たった。
安宿のお兄さんに「何か食べるものないですか?」と尋ねると、「15分歩くと『サブウェイ』があるよ」と教えてくれた。
だだっ広い平原に切り拓かれたクイアバは、夜になると真っ暗。3分で襲われそうな気がする。
「こんな時間に出歩いたら襲われるんじゃないの?」と尋ねると、お兄さんは笑い出した。
「そりゃあクイアバもブラジルだけどさ、襲われるわけないって。こんな平和な街はないんだから」
ぼくは小走りでサブウェイに向かった。怖かったし、一刻も早く何か口にしたかったからだ。幸い道中、襲われることはなかった。
サブウェイで注文にまごついていると、前に並んでいた夫婦が助けてくれた。そして「一緒に食べよう」と言い出した。一緒に食べていたら、今度は夜中の12時だというのに「街を案内する」と言い出す。
親切な夫婦は、車で緑豊かな公園やご当地名物、川魚が旨いレストラン、工事の遅れで有名になったスタジアムを廻ってくれた。
思わぬ親切に感激して「オブリガード(ありがとう)」を連発するぼくに、サンパウロ出身の妻パウラさんが言った。
「クイアバの人はたぶん、ブラジルでもいちばん親切よ。明日からも、きっとあなたの前に親切な人が現われるはずよ」
パウラさんの予言は当たった。