リベリの欠場は大きな痛手だが、若さとダイナミズムがある。
いよいよ開幕が迫ったブラジル・ワールドカップ。覇権を争う、いわゆる列強国は、どのような状態で大会を迎えようとしているのか。8つのポイントから現状を診断した。
進境著しい若手の存在は心強いが、大エースのリベリを故障で失う大誤算に見舞われたフランスをポイントチェック。
【フランス】
前回大会:グループリーグ敗退
今大会初戦:6月15日 ホンジュラス戦(グループE)
Q1 23人の人選は?
可もなく不可もなく
当初ほぼ理想の23人だったが、その後怪我人が続出、第2GKのステーブ・マンダンダ、守備的MFのクレマン・グルニエ、そして何よりもフランク・リベリを失ってしまった。だが指揮官のディディエ・デシャンはこれらを見越しながら、損害を最小限にとどめたとも言える。それぞれステファン・リュフィエ、モルガン・シュネデルラン、レミ・カベラが3人を穴埋めすることになり、彼らの存在はEURO2016に役立つことになるだろう。
ただリベリがいなくなってみて、個人的にはサミア・ナスリを外したデシャンの判断を悔いている。マンチェスター・Cの優勝に貢献したあの男がいれば、プレータクトをその手に握って役に立ったように思う。
Q2 チームの仕上がり具合は?
まずまず
リベリの土壇場での離脱はもとより、チャンピオンズ・リーグ優勝を飾ったレアル・マドリーのカリム・ベンゼマ、ラファエル・ヴァランヌが疲労を溜めており、合流も遅れた。このため大会前のプレパレーション(準備調整)は、オフェンス面でもディフェンス面でも完全な試運転ができていない。現に、最初のテストマッチとなったノルウェー戦(4-0)の大勝は異論の余地がなかったが、続くパラグアイ戦(1-1)は消化不良の内容に終わっている。
Q3 キャンプインからここまでチームの雰囲気は?
最高
負傷離脱者や何人かのコンディションに問題が発生したにもかかわらず、クレールフォンテーヌでの3週間近いキャンプは、非常に上手くいった。フランソワ・オランド大統領の訪問を受けた昼食会や、著名人を囲んでの夕食会も、和気あいあいだった。サコ、ポグバ、マブバといったムードメーカーたちのおかげもあって、雰囲気はリラックスしている。1954年以来、60年ぶりに最も若いグループ(平均年齢26歳10か月)となったレ・ブルーは、もしかすると前代未聞の新鮮な風を起こせるかもしれない。
Q4 最大の楽観材料は?
若さとダイナミズム、CL制覇のふたり
欧州予選のプレーオフ第1レグを0-2で落としながら第2レグでファンタスティックな大逆転劇を実現したウクライナ戦(3-0)以来、レ・ブルーは美しい集団的ダイナミズムを醸し出している。3月のオランダ戦でも文句なしの勝利(2-0)を収め、上昇気流に乗っていると言えるだろう。
サコ、ポグバ、ヴァルビュエナ、ベンゼマらも、ちょうどいいタイミングで好調の波をつくり出している。加えて、ベンゼマとヴァランヌという攻撃と守備の要がCLを制覇したばかり。彼らが自信をみなぎらせていることもプラスアルファだ。
Q5 最大の懸念は?
リベリの欠場
リベリの欠場は特大の痛手だ! バロンドールの投票で第3位というワールドクラスのリベリは、まさに百人力とも言える「抑止力」をもつ大量破壊兵器だった。しかもデシャンの当初リストで最も代表歴があり(81キャップ)、ビッグトーナメントをすでに4回も経験してきた男だ(2006、10年のW杯、08、12年のEURO)。この損失はあまりにも大きい。
なにしろ現代表でリベリは、通算19得点のベンゼマに次ぐゴールハンター(16得点)であるうえ、12年8月以降のアシスト王(10アシスト)なのだから。
進境著しい若手の存在は心強いが、大エースのリベリを故障で失う大誤算に見舞われたフランスをポイントチェック。
【フランス】
前回大会:グループリーグ敗退
今大会初戦:6月15日 ホンジュラス戦(グループE)
Q1 23人の人選は?
可もなく不可もなく
当初ほぼ理想の23人だったが、その後怪我人が続出、第2GKのステーブ・マンダンダ、守備的MFのクレマン・グルニエ、そして何よりもフランク・リベリを失ってしまった。だが指揮官のディディエ・デシャンはこれらを見越しながら、損害を最小限にとどめたとも言える。それぞれステファン・リュフィエ、モルガン・シュネデルラン、レミ・カベラが3人を穴埋めすることになり、彼らの存在はEURO2016に役立つことになるだろう。
ただリベリがいなくなってみて、個人的にはサミア・ナスリを外したデシャンの判断を悔いている。マンチェスター・Cの優勝に貢献したあの男がいれば、プレータクトをその手に握って役に立ったように思う。
Q2 チームの仕上がり具合は?
まずまず
リベリの土壇場での離脱はもとより、チャンピオンズ・リーグ優勝を飾ったレアル・マドリーのカリム・ベンゼマ、ラファエル・ヴァランヌが疲労を溜めており、合流も遅れた。このため大会前のプレパレーション(準備調整)は、オフェンス面でもディフェンス面でも完全な試運転ができていない。現に、最初のテストマッチとなったノルウェー戦(4-0)の大勝は異論の余地がなかったが、続くパラグアイ戦(1-1)は消化不良の内容に終わっている。
Q3 キャンプインからここまでチームの雰囲気は?
最高
負傷離脱者や何人かのコンディションに問題が発生したにもかかわらず、クレールフォンテーヌでの3週間近いキャンプは、非常に上手くいった。フランソワ・オランド大統領の訪問を受けた昼食会や、著名人を囲んでの夕食会も、和気あいあいだった。サコ、ポグバ、マブバといったムードメーカーたちのおかげもあって、雰囲気はリラックスしている。1954年以来、60年ぶりに最も若いグループ(平均年齢26歳10か月)となったレ・ブルーは、もしかすると前代未聞の新鮮な風を起こせるかもしれない。
Q4 最大の楽観材料は?
若さとダイナミズム、CL制覇のふたり
欧州予選のプレーオフ第1レグを0-2で落としながら第2レグでファンタスティックな大逆転劇を実現したウクライナ戦(3-0)以来、レ・ブルーは美しい集団的ダイナミズムを醸し出している。3月のオランダ戦でも文句なしの勝利(2-0)を収め、上昇気流に乗っていると言えるだろう。
サコ、ポグバ、ヴァルビュエナ、ベンゼマらも、ちょうどいいタイミングで好調の波をつくり出している。加えて、ベンゼマとヴァランヌという攻撃と守備の要がCLを制覇したばかり。彼らが自信をみなぎらせていることもプラスアルファだ。
Q5 最大の懸念は?
リベリの欠場
リベリの欠場は特大の痛手だ! バロンドールの投票で第3位というワールドクラスのリベリは、まさに百人力とも言える「抑止力」をもつ大量破壊兵器だった。しかもデシャンの当初リストで最も代表歴があり(81キャップ)、ビッグトーナメントをすでに4回も経験してきた男だ(2006、10年のW杯、08、12年のEURO)。この損失はあまりにも大きい。
なにしろ現代表でリベリは、通算19得点のベンゼマに次ぐゴールハンター(16得点)であるうえ、12年8月以降のアシスト王(10アシスト)なのだから。