味方10人のフットボールの質を高められる選手。
かねてから噂されていたアンドレス・イニエスタのヴィッセル神戸入団が正式に決まった。では、イニエスタとはどのようなプレーヤーで、人間なのか。
バルセロナ一筋に多くの栄光に浴してきた彼は、世界最高のフットボーラーでありながら、極めて謙虚な男である。
「あれ? 世界最高のフットボーラーはリオネル・メッシか、クリスチアーノ・ロナウドじゃないの?」
そう反論する方が多いはずなので、順を追った説明が必要だろう。まずは、アルゼンチンの天才と言われ、かつてバルサで10番を背負ってプレーしたファン・ロマン・リケルメの表現を引用したい。
「アンドレスは、いつもなにをすべきかを心得ている。シュートを撃つ、ボールをコントロールする、そんなことは練習すればいくらでもうまくなるものさ。しかし、あらゆる局面でなにをすべきか。それを瞬時に正しく判断できるかどうかは、ほとんど天性の才能なんだ」
イニエスタは、ピッチという迷路から、地図やコンパスを使わなくてもあっさりと抜け出すことができる。彼がボールに触れ、弾くだけで、正しい球筋に変わる。そのパスにはつねにメッセージが込められている。
わかりにくいかもしれないが、彼は、ただパスをするというようなことがない。すべてのパスに、迷路を抜け出す答が託されている。ここでいう「迷路を抜ける」は、「フットボールを創り出す」という表現に置き換えられるかもしれない。
バルセロナ一筋に多くの栄光に浴してきた彼は、世界最高のフットボーラーでありながら、極めて謙虚な男である。
「あれ? 世界最高のフットボーラーはリオネル・メッシか、クリスチアーノ・ロナウドじゃないの?」
そう反論する方が多いはずなので、順を追った説明が必要だろう。まずは、アルゼンチンの天才と言われ、かつてバルサで10番を背負ってプレーしたファン・ロマン・リケルメの表現を引用したい。
「アンドレスは、いつもなにをすべきかを心得ている。シュートを撃つ、ボールをコントロールする、そんなことは練習すればいくらでもうまくなるものさ。しかし、あらゆる局面でなにをすべきか。それを瞬時に正しく判断できるかどうかは、ほとんど天性の才能なんだ」
イニエスタは、ピッチという迷路から、地図やコンパスを使わなくてもあっさりと抜け出すことができる。彼がボールに触れ、弾くだけで、正しい球筋に変わる。そのパスにはつねにメッセージが込められている。
わかりにくいかもしれないが、彼は、ただパスをするというようなことがない。すべてのパスに、迷路を抜け出す答が託されている。ここでいう「迷路を抜ける」は、「フットボールを創り出す」という表現に置き換えられるかもしれない。
「アンドレスはボールをパスするのではない。キャラメルを配るんだよ」
2003年から2008年までバルサを率いたオランダの名将フランク・ライカールトは、独特の言い回しでフットボールを創るイニエスタの才能を絶賛している。
たしかにイニエスタには、C・ロナウドのような圧倒的な脚力や跳躍力はないし、メッシのように相手を幻惑するドリブルからの超人的なシュートもない。
しかし、たった一本のパスで、あるいはボールをキープすることで、リズムを変え、タメを作り、敵を出し抜き、味方10人全員のフットボールの質を高められる。チームプレーヤーとして、最高の貢献を見せる。
「人を活かす謙虚さ」
その性格とサッカー選手としての才能がマッチしているがゆえに、世界最高のフットボーラーと言えるのだ。
2003年から2008年までバルサを率いたオランダの名将フランク・ライカールトは、独特の言い回しでフットボールを創るイニエスタの才能を絶賛している。
たしかにイニエスタには、C・ロナウドのような圧倒的な脚力や跳躍力はないし、メッシのように相手を幻惑するドリブルからの超人的なシュートもない。
しかし、たった一本のパスで、あるいはボールをキープすることで、リズムを変え、タメを作り、敵を出し抜き、味方10人全員のフットボールの質を高められる。チームプレーヤーとして、最高の貢献を見せる。
「人を活かす謙虚さ」
その性格とサッカー選手としての才能がマッチしているがゆえに、世界最高のフットボーラーと言えるのだ。