絶対に起こしてはいけない24年前の悲劇とは?
西野ジャパンが快哉を叫んだ6月19日のコロンビア戦、2-1でこの試合の流れを大きく左右したのは、開始早々の退場劇だった。
キックオフから3分。自陣からのロングボールに抜け出した大迫勇也の1対1でのシュートを相手GKダビド・オスピナがセーブ。こぼれ球に反応した香川真司がダイレクトで強烈なシュートを放つと、ジャンプしたカルロス・サンチェスが右手を伸ばしてストップし、ダミル・スコミナ主審は迷わずPKと退場を宣告したのだ。
C・サンチェスのスピード退場によって数的不利となったコロンビアは、なんとかこれをカバーしようと奮闘したが、時間の経過とともに疲弊して反攻する力を失い、手痛い黒星を喫した。
試合後、退場のシーンについて問われたC・サンチェスは、「どうして、あれが一発レッドカードだったのか……正直言って分からないよ」と肩を落としたが、チームに高い期待を寄せていたコロンビア国民からは批判の声が相次ぎ、ついにはツイッターで殺害を予告するメッセージが投稿される事態となった。
キックオフから3分。自陣からのロングボールに抜け出した大迫勇也の1対1でのシュートを相手GKダビド・オスピナがセーブ。こぼれ球に反応した香川真司がダイレクトで強烈なシュートを放つと、ジャンプしたカルロス・サンチェスが右手を伸ばしてストップし、ダミル・スコミナ主審は迷わずPKと退場を宣告したのだ。
C・サンチェスのスピード退場によって数的不利となったコロンビアは、なんとかこれをカバーしようと奮闘したが、時間の経過とともに疲弊して反攻する力を失い、手痛い黒星を喫した。
試合後、退場のシーンについて問われたC・サンチェスは、「どうして、あれが一発レッドカードだったのか……正直言って分からないよ」と肩を落としたが、チームに高い期待を寄せていたコロンビア国民からは批判の声が相次ぎ、ついにはツイッターで殺害を予告するメッセージが投稿される事態となった。
アルゼンチン紙『Ole』によれば、「皆さんに夢を提案する」と綴られた問題のツイートには、ある選手の顔写真が添付されていたという。その選手とは、24年前に射殺された元コロンビア代表のアンドレス・エスコバルである。
1994年のアメリカW杯にコロンビア代表の一員として出場したエスコバルは、負ければグループステージ敗退が決まる開催国との一戦で痛恨のオウンゴールを献上。これが要因となってチームは敗れ、開幕前には優勝候補にも挙げられながら、本大会から早々に姿を消すこととなった。
これが、闇賭博でコロンビアに大金を賭けていた犯罪組織の怒りを買い、大会期間中の7月2日、当時27歳だったエスコバルは、地元メデジンのバー「エル・インディオ」で12発の弾丸を浴びて死亡したのだ。この時、犯人は「オウンゴールをありがとう」と叫びながら乱射していたという。
多くの選手がグループリーグ敗退の責任を逃れ、母国への帰国を避けるなかで、重責を受け止め、頭を上げて帰国したエスコバルのあまりに悲劇的な訃報は、世界に衝撃と哀しみを与えた。
そんな代表戦士の死から24年後、地元コロンビア警察は迅速に動いた。すでにツイートを書き込んだ人物に対して、「殺人または暴力を誘発する」として脅迫容疑での捜査開始を発表したのだ。
サッカー界最大の悲劇を二度と繰り返ないためにも、この件には徹底した対応をしてもらいたいものだ。