クロアチア代表のマテオ・コバチッチは、ワールドカップ期間中にスペイン紙『Marca』でレアル・マドリーからの移籍希望を明らかにした。だが、移籍はまだ実現していない。

『Marca』によれば、出場機会の増加を目指すコバチッチは８月６日、バルデベバス（マドリーの練習場の所在地）で改めて退団の意向を伝えたという。だが、３度にわたる移籍志願にもかかわらず、マドリーはコバチッチ放出を認めていない。

　そこでコバチッチは強硬手段に打って出る。『Marca』紙は同日、移籍が決まるまでマドリーの練習には出席しないことをコバチッチが決めたと報じた。
 

　近年は移籍に持ち込むべく、今回のコバチッチのように練習への参加を拒否するなどクラブと衝突するケースが少なくない。『Marca』紙はそういった例として11選手を紹介している。

　例えば、昨年夏にチェルシーでアントニオ・コンテ監督（当時）から戦力外通告されたジエゴ・コスタは、その後アトレティコ・マドリーへの復帰が決定。アトレティコに対するFIFAの処分により、合流は今年１月となったが、最終的には希望する移籍を実現させた形だ。

　昨夏はほかにも、バルセロナ移籍を巡ってふたりの選手が練習参加を拒否した。当時ドルトムントに所属していたウスマンヌ・デンベレと、リバプールに在籍していたフィリッペ・コウチーニョだ。デンベレは移籍を実現させ、コウチーニョは残留したが、シーズン途中の１月にバルサに加わっている。

　現在マドリーで活躍するガレス・ベイルやルカ・モドリッチも、かつてはトッテナムから移籍する際に古巣と揉めた。また、アトレティコからマンチェスター・シティに移籍したセルヒオ・アグエロ、アーセナルからバルサ復帰を果たしたセスク・ファブレガス、バルサやマドリーに移籍するために強硬手段に出た元ブラジル代表のロナウドも例に挙げられた。

　最終的に移籍は実現しなかったが、バイエルンのフランク・リベリ（2009年）や元セビージャのダニエウ・アウヴェス（2007年）も退団を巡ってクラブと衝突した過去がある。また、移籍が理由ではないが、マンチェスター・C時代に当時のロベルト・マンチーニ監督との確執からアルゼンチンに無断帰国したカルロス・テベスのケースも紹介されている。

　いずれの場合も、クラブと選手の間に緊張関係が生じたのは当然のこと。だが、最終的には移籍が実現したケースとそうでないケース、そして結果的に両者が満足する形となったケースなど、結果はさまざまだ。コバチッチとマドリーはどういった結論を導き出すのか、今後が注目される。