水沼のゴールが示した新たなフィニッシュの形。
左SBの安田理大が果敢に駆け上がりクロスを入れる。左MFのキム・ミヌがカットインからゴールを狙う――。リーグ序盤戦、2位につけて中断期に入った鳥栖の左サイドは、「リーグ随一」とも評される破壊力を見せつけた。
総得点はリーグ4位の23点。そのうち約3割にあたる8点が、安田の5アシスト、キム・ミヌの3アシストから生まれた。左サイドの攻撃力は、キャンプに入っても冴えを見せ、再開後も引き続き猛威を振るう予感を漂わせている。
序盤戦の勢いのままにシーズンを突き抜けたい鳥栖は、6月25日から2週間にわたり、韓国の済州島でキャンプを張った。14節の大宮戦(1-1)後に約2週間のオフを取り、1週間ほど鳥栖でコンディション調整をして済州島に入った。キャンプ4日目には、Kリーグの済州ユナイテッドFCとトレーニングマッチを戦った。
この試合のテーマを、ボランチの藤田直之は「課題が多く見つかった『ボールを持った時の攻撃』を改善すること」と挙げていたが、それを意識したプレーが随所に見られた。
左サイドからの果敢な攻撃は健在。安田とキム・ミヌの好調は持続されており、17分には、左サイドの攻撃でCKを獲得すると、豊田が頭で合わせ先制。中断前と変わらぬ強みを見せつけた。
しかし、「中断明けからは相手も鳥栖を研究してくるので、それを上回る何かが必要」(安田)との思いは、チーム全体の共通認識だ。その意味で明るい材料となったのが、32分の水沼のゴールだ。豊田が中盤からボールを引き出して収め、左サイドに展開すると、キム・ミヌが正確なクロスを送る。そこに走り込んで頭で合わせた水沼は、豊田が引いて空いた前線のスペースを見逃さなかった。
もともとドリブルからのミドルシュートを得意としていた水沼だが、前線との連係でスペースに飛び込むという新たなフィニッシュの形を披露した。これが、安田の言った「何か」であり、藤田の指摘した「課題」に対するひとつの答となったのは間違いない。
総得点はリーグ4位の23点。そのうち約3割にあたる8点が、安田の5アシスト、キム・ミヌの3アシストから生まれた。左サイドの攻撃力は、キャンプに入っても冴えを見せ、再開後も引き続き猛威を振るう予感を漂わせている。
序盤戦の勢いのままにシーズンを突き抜けたい鳥栖は、6月25日から2週間にわたり、韓国の済州島でキャンプを張った。14節の大宮戦(1-1)後に約2週間のオフを取り、1週間ほど鳥栖でコンディション調整をして済州島に入った。キャンプ4日目には、Kリーグの済州ユナイテッドFCとトレーニングマッチを戦った。
この試合のテーマを、ボランチの藤田直之は「課題が多く見つかった『ボールを持った時の攻撃』を改善すること」と挙げていたが、それを意識したプレーが随所に見られた。
左サイドからの果敢な攻撃は健在。安田とキム・ミヌの好調は持続されており、17分には、左サイドの攻撃でCKを獲得すると、豊田が頭で合わせ先制。中断前と変わらぬ強みを見せつけた。
しかし、「中断明けからは相手も鳥栖を研究してくるので、それを上回る何かが必要」(安田)との思いは、チーム全体の共通認識だ。その意味で明るい材料となったのが、32分の水沼のゴールだ。豊田が中盤からボールを引き出して収め、左サイドに展開すると、キム・ミヌが正確なクロスを送る。そこに走り込んで頭で合わせた水沼は、豊田が引いて空いた前線のスペースを見逃さなかった。
もともとドリブルからのミドルシュートを得意としていた水沼だが、前線との連係でスペースに飛び込むという新たなフィニッシュの形を披露した。これが、安田の言った「何か」であり、藤田の指摘した「課題」に対するひとつの答となったのは間違いない。
鳥栖の攻撃と言えば、「まずはトヨさん(豊田陽平)を見る」(池田)ことから始まるが、豊田が作ったスペースにトップ下の3人が入れ代わり立ち代わり入ってくるだけで、相手にとっては的が絞り難くなる。また、この試合では水沼が動くことで生まれたスペースを右SBの丹羽竜平が突き、左サイドに負けず劣らず攻撃参加のための上下動を繰り返していた。「リーグ随一」の破壊力を持つ左サイドに加え、右サイドの攻撃力にも磨きがかかっている。
「ある程度できていた」(藤田)と手応えを得たディフェンス面も機能しており、ストロングポイントである堅守に、左右の強力なサイド攻撃と新たなフィニッシュパターンの構築という確かな上積みを得た。「何かしらのタイトルを取る」(ユン・ジョンファン監督)と宣言して始まった今シーズン。そのための手段を、このキャンプで確かめられた。悲願のタイトル奪取は、新たな武器の誕生によって、また一歩近づいたと言える。
取材・文:サカクラゲン(サッカージャーナリスト)
「ある程度できていた」(藤田)と手応えを得たディフェンス面も機能しており、ストロングポイントである堅守に、左右の強力なサイド攻撃と新たなフィニッシュパターンの構築という確かな上積みを得た。「何かしらのタイトルを取る」(ユン・ジョンファン監督)と宣言して始まった今シーズン。そのための手段を、このキャンプで確かめられた。悲願のタイトル奪取は、新たな武器の誕生によって、また一歩近づいたと言える。
取材・文:サカクラゲン(サッカージャーナリスト)