【札幌】「笛も鳴ったし、蹴っちゃえ」相手の隙を突く福森晃斗の絶妙FK弾の舞台裏

カテゴリ:Jリーグ

広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2018年09月02日

チャナティップとはどんな会話を?

相手の隙を見逃さず、得意のFKで勝負を決定づけるチーム3点目を挙げた福森。自慢の左足を駆使した正確なサイドチェンジでも魅せた。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1リーグ25節]札幌 3-1 神戸/9月1日/札幌ド
 
 右足でのシュートか、左足でのシュートか――両方のFKのキッカーがチームにいることが有利に働いたか。
 
 83分、札幌が直接FKのチャンスを得る。場所はペナルティアークの中央。絶好の位置だ。ボールの近くには、“両利き”のチャナティップと、レフティの福森晃斗が立つ。
 
 蹴る直前、ふたりはこんな会話をしていたという。
 
「チャナ(ティップ)がもらったファウルだったので、『俺が蹴る』みたいに言ってきたんです。でも、自分にもプライドがあるし、FKは自分のものだと思っていて、『自分が蹴る』と。そうしたら、チャナは笑顔を見せながら、いいよ、という感じで譲ってくれたんです」
 
 このやり取りの雰囲気が、少なからず神戸側に迷いを生じさせたのかもしれないし、冒頭で記したとおり、利き足の異なるふたりの存在が影響したのかもしれない。いずれにしても、「自分に合わせたのか、チャナに合わせたのか、壁の位置(の狙い)がちょっと分からなかった」(福森)。その結果、「自分の目の前にコースが空いていた」(福森)。
 
 そして、この瞬間、福森の脳裏に、ある出来事が蘇る。
 
「(7月の16節)川崎戦のFKの場面でも、プレー再開の笛が鳴った時に、(川崎のGK)チョン・ソンリョン選手がポストの近くに立っていたことがあって、それを(小野)伸二さんは分かっていて、(蹴ってもいいと)声をかけてもらったことがあった。
 
 そのことを意識して今回もGKを見ていたら、似たような感じで、笛が鳴った時、キム・スンギュ選手がポストの近くで壁に指示を出していた。だから、冷静に蹴れました」

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