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【ブンデスリーガ開幕特集】『キッカー誌』記者が本音トーク 「日本人よ、インパクトを残せ!」

カテゴリ:ワールド

安藤正純

2014年08月22日

Jリーグにはもう、これといった有望選手が残っていないのでは。

今夏、ブンデスリーガに新たに挑戦する日本人選手は、この原口がただひとり。いわゆる日本人ブームが下火になった要因とは――。 (C) Getty Images

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 8月22日のバイエルン対ヴォルフスブルク戦で幕を開ける2014-15シーズンのブンデスリーガ。そのピッチに立つ日本人プレーヤーは、合わせて11人だ。
 
 この夏、日本から新たにドイツに渡ったのは、浦和からヘルタ・ベルリンに移籍した原口元気がただひとり。ブンデスでの「日本人ブーム」は下火になったのか――。サッカー専門誌『キッカー』の記者2人が「日本人選手」を俎上に載せて語り尽くす“本音トーク”は、気になるその話題で口火を切った。
 
※週刊サッカーダイジェスト9.2号(8月19日発売)より。
 
【写真】2014-15シーズンのブンデスリーガを戦う11人の日本人選手

――◆――◆――
 
(本文1)
――ブンデスリーガでの日本人選手の獲得ブームは、下火になったと見ていいかな?
 
マルティン・グリューナー(以下マルティン) そうだな。新たに日本から来たのはヘルタ・ベルリンの原口元気だけ。3、4年前には何人も夏に移籍してきたけど、今や底を打った状態だ。この移籍の減少が、日本人が重宝された時代の終わりを物語っていると言えそうだ。
 
ハーディ・ハッセルブルッフ(以下ハーディ) 俺もマルティンと同意見だ。4年前、まったくの無名だった香川真司(現マンチェスター・ユナイテッド)がドルトムントで大ブレイクして、チームにマイスター(リーグ優勝)とポカール(DFBカップ)をもたらし、日本人選手の価値は瞬く間に上昇した。でも、それはもはや過去の栄光。日本人選手の存在がごく自然になったこと、加えてこれまで香川ほど強烈なインパクトを残す選手が出ていないことが、日本人選手の人気低下の原因ではないかな。
 
マルティン マインツの岡崎は昨シーズン、15ゴールを挙げた。内田は勝利が義務づけられているシャルケの不動のレギュラーだ。でも、日本人でチームの牽引役と呼べるような選手は見当たらない。基本的には「助っ人」なわけだから、そのあたりの要素が今後は求められるだろう。
 
――ドイツ側の事情を含め、もう少し詳しく聞かせてくれるかな。
 
マルティン デビュー直後に頑張り過ぎてしまうのか、その後が続かない。パフォーマンスが低下したら、もう一度浮上して、最初のピークを越えるほどの成長を見せられずにいる。それには近年、ブンデスリーガのレベルが非常に上がっている背景も関係している。例えば、以前だったらドイツに見向きもしなかったスペインやイタリアの名実備えた選手が、国情もあって次々に来るようになった。今シーズンはセリエA得点王のインモービレがトリノからドルトムントに、さらにバイエルンには再びスペイン人選手が移籍してきた。その意味では、そこそこのレベルの日本人選手では、ある程度のレベルまでいくと通用しなくなってきているのかもしれない。
 
ハーディ もうひとつの事情として、ドイツでは各クラブ単位でユース世代の育成が順調に進められていることも見逃せない。そういった情勢の変化が、結果を残せなかった日本人選手への少なからぬ批判にも結び付いている。それに、これは俺の推測だけど、Jリーグにはもう、これといった有望選手が残ってないんじゃないか? 主力のほとんどを海外のリーグにすくい取られた感じがするね。日本だって力のある若手をエンドレスに供給できるわけではないだろ?
 
――ブラジル・ワールドカップでの惨敗も、日本人選手の評価に影響している?
 
ハーディ それは、もちろん。アジア勢はグループリーグで1勝すらできず、日本の成長が一旦止まった印象を強く残した。アジアを代表するはずの日本と韓国が、始めから終わりまでまったくもって情けなかった。日本は工夫もなく、大人しく、相手にびくびくして闘争心すら感じられず、「並」の相手にも主導権を握れなかった。アジア勢の体たらくは今大会最大の失望だったよ。
 
――日本代表や日本人選手に理解のあるハーディがそこまで言うのは珍しいな。
 
ハーディ ああ、もう少し言わせてくれよ。日本があんなにチャンスのあるグループで、手も足も出なかったのは一体なぜだ!? ガッカリ度100パーセントだよ。ザッケローニの退任は当然として、それにしても次のアギーレの下で、あそこまで砕け散った日本代表は立ち直れるのかい。事態は深刻だ。俺は期待できないね。
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