前監督時代に比べ守備は劇的に向上し、得点力も上がっている。
徳島の降格が決まったJ1の残留争い。29節終了時で、降格圏に位置するのは17位のC大阪と16位の甲府だ。しかし、依然としてC大阪から13位の仙台まで、勝点4差のなかに5チーム(仙台、大宮、清水、甲府、C大阪)がひしめく混戦状態。各チームの終盤戦の見どころを、週刊サッカーダイジェストの担当記者が展望する。
大宮アルディージャ
成績(29節終了時):14位/勝点31/8勝7分14敗/38得点・53失点
残り5節の対戦
30節 10/26(日) 対神戸(A) 16:00 前回対戦●0-3
31節 11/2(日) 対広島(A) 16:00 前回対戦△3-3
32節 11/22(土) 対柏(H) 17:00 前回対戦△2-2
33節 11/29(土) 対名古屋(A) 17:00 前回対戦●1-2
34節 12/6(土) 対C大阪(H) 15:30 前回対戦△1-1
ポイント1)チームの現状は?
攻撃は前線の4人頼み。守備は格段に整備されたものの、残留の絶対条件でもある“伝統の堅守復活”には「もう一段のレベルアップが必要」(渋谷洋樹監督)で、今後も苦しい試合が続くだろう。
ただ、29節の横浜戦で痛恨の逆転負けを喫しはしたが、チーム内の雰囲気は悪くない。ハードワークを信条に、自信を持って戦えているのは数少ない好材料と言える。
ポイント2)優勝(残留)するために獲得すべき勝点のノルマは?
9(3勝0分け2敗に相当)
残留ラインは勝点38と予想。しかし、混戦状態を鑑みて現状の31に9上乗せした勝点40は欲しいところだ。
前回対戦を見るとどの相手にも分は悪いが、それは前政権時代の話。すべての試合で得点は取れており、守備が劇的に向上した現在では、先制点を奪えれば最低でも引き分けには持ち込めるだろう。
ポイント3)終盤戦のキープレーヤーは?
家長昭博
守備に多くの時間を費やさねばならぬ現在、家長のキープ力はラインの押し上げに必須だ。実際、出場停止だった横浜戦では、「クリアするだけ」という場面が散見。セカンドボールをことごとく拾われて疲弊していった。
もちろん攻撃面でも、家長から供給されるパスが高質であることを忘れてはならない。少ない攻撃機会を決定機に変える、チーム内アシスト王にかかる期待は大きい。
高橋祥平
家長が攻撃のキーマンだとすれば、守備の要が高橋であることに疑いの余地はない。主将でありDFリーダーだった菊地光将の負傷離脱を感じさせないパフォーマンスは、圧巻のひと言だ。
「精神的に未熟」と評される時期を乗り越え、高橋は安定した働きで守備陣を統率。地上戦でも空中戦でも抜群の強さを発揮するが、さらにチームを鼓舞する“魂”にも注目してほしい。
ポイント4)累積警告や負傷者などの懸念材料は?
主力の菊地(CB)、今井智基(SB)、金澤慎(ボランチ)が負傷離脱しているものの、早い時期に復帰が見込まれているのは幸いだ。
ただし、3選手ともに警告数を溜めており、戦線復帰したとしてもハードに戦えばすぐに出場停止となる危険が付きまとう。
なかでも右SB今井の場合、代役として入る選手の力が数段落ちるのは横浜戦を見る限り明白なだけに、急所にもなり得る……。
ポイント5)残り5試合で鍵を握りそうな対戦相手は?
30節・神戸(A)
残り5試合の大半が中位勢との対戦なのは僥倖だと言えるだろう。
残留争いのライバルであるC大阪との対決を前に残留を確定するためにも、鍵を握るのは神戸戦だ。調子の上がらない神戸を相手に連敗を喫すれば、そのまま“沈没”することもあり得る。
注意すべきは前線の外国籍選手、そしてパスを供給する日本代表の森岡亮太だ。大宮としては、28節のFC東京戦で見せたようなハードマークで神戸の連係を断ち切り、ボールを奪った後は一気にゴールへ迫りたい。
最後に、もし最終節まで残留決定を持ち越したとしても、C大阪との直接対決はホームで迎えられるという利点があることを付け加えておきたい。
文:古田土 恵介(週刊サッカーダイジェスト)
大宮アルディージャ
成績(29節終了時):14位/勝点31/8勝7分14敗/38得点・53失点
残り5節の対戦
30節 10/26(日) 対神戸(A) 16:00 前回対戦●0-3
31節 11/2(日) 対広島(A) 16:00 前回対戦△3-3
32節 11/22(土) 対柏(H) 17:00 前回対戦△2-2
33節 11/29(土) 対名古屋(A) 17:00 前回対戦●1-2
34節 12/6(土) 対C大阪(H) 15:30 前回対戦△1-1
ポイント1)チームの現状は?
攻撃は前線の4人頼み。守備は格段に整備されたものの、残留の絶対条件でもある“伝統の堅守復活”には「もう一段のレベルアップが必要」(渋谷洋樹監督)で、今後も苦しい試合が続くだろう。
ただ、29節の横浜戦で痛恨の逆転負けを喫しはしたが、チーム内の雰囲気は悪くない。ハードワークを信条に、自信を持って戦えているのは数少ない好材料と言える。
ポイント2)優勝(残留)するために獲得すべき勝点のノルマは?
9(3勝0分け2敗に相当)
残留ラインは勝点38と予想。しかし、混戦状態を鑑みて現状の31に9上乗せした勝点40は欲しいところだ。
前回対戦を見るとどの相手にも分は悪いが、それは前政権時代の話。すべての試合で得点は取れており、守備が劇的に向上した現在では、先制点を奪えれば最低でも引き分けには持ち込めるだろう。
ポイント3)終盤戦のキープレーヤーは?
家長昭博
守備に多くの時間を費やさねばならぬ現在、家長のキープ力はラインの押し上げに必須だ。実際、出場停止だった横浜戦では、「クリアするだけ」という場面が散見。セカンドボールをことごとく拾われて疲弊していった。
もちろん攻撃面でも、家長から供給されるパスが高質であることを忘れてはならない。少ない攻撃機会を決定機に変える、チーム内アシスト王にかかる期待は大きい。
高橋祥平
家長が攻撃のキーマンだとすれば、守備の要が高橋であることに疑いの余地はない。主将でありDFリーダーだった菊地光将の負傷離脱を感じさせないパフォーマンスは、圧巻のひと言だ。
「精神的に未熟」と評される時期を乗り越え、高橋は安定した働きで守備陣を統率。地上戦でも空中戦でも抜群の強さを発揮するが、さらにチームを鼓舞する“魂”にも注目してほしい。
ポイント4)累積警告や負傷者などの懸念材料は?
主力の菊地(CB)、今井智基(SB)、金澤慎(ボランチ)が負傷離脱しているものの、早い時期に復帰が見込まれているのは幸いだ。
ただし、3選手ともに警告数を溜めており、戦線復帰したとしてもハードに戦えばすぐに出場停止となる危険が付きまとう。
なかでも右SB今井の場合、代役として入る選手の力が数段落ちるのは横浜戦を見る限り明白なだけに、急所にもなり得る……。
ポイント5)残り5試合で鍵を握りそうな対戦相手は?
30節・神戸(A)
残り5試合の大半が中位勢との対戦なのは僥倖だと言えるだろう。
残留争いのライバルであるC大阪との対決を前に残留を確定するためにも、鍵を握るのは神戸戦だ。調子の上がらない神戸を相手に連敗を喫すれば、そのまま“沈没”することもあり得る。
注意すべきは前線の外国籍選手、そしてパスを供給する日本代表の森岡亮太だ。大宮としては、28節のFC東京戦で見せたようなハードマークで神戸の連係を断ち切り、ボールを奪った後は一気にゴールへ迫りたい。
最後に、もし最終節まで残留決定を持ち越したとしても、C大阪との直接対決はホームで迎えられるという利点があることを付け加えておきたい。
文:古田土 恵介(週刊サッカーダイジェスト)