リアクションから脱却した新生レイソルが、初のアジア制覇に挑む。
Jリーグよりもひと足先に開幕するアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)。日本勢は2月24日にG大阪、柏が開幕戦を迎え、翌25日には鹿島、浦和が登場する。
2008年のG大阪以来、このタイトルから遠ざかっている日本勢だが、果たして今季はいかなる戦いぶりを見せてくれるのだろうか。
ここでは、17日のプレーオフを勝ち抜いた柏の現状とACL躍進へのポイントを探る。
――◆――◆――
柏レイソル
ACL最高成績:ベスト4(2013年)
昨季リーグ成績:4位 勝点60 17勝9分8敗 48得点・40失点
Q1
補強を含めたプレシーズンここまでの準備は、100点満点中何点?
70点
どこよりも早い公式戦(2月17日のACLプレーオフ/〇3-2)に照準を合わせ、急ピッチでチーム作りを推進。アカデミーで確立したスタイルをトップチームに移行するとあって、戦術の浸透は思いのほか早く、吉田監督、選手ともに手応えを感じている。新加入の目玉である大津はやや調整が遅れているが、初の公式戦を含めた仕上がりとしては「準備期間がなかったなか、60~70点は付けていいと思う」(茨田)。
Q2
昨季から大きく変わった点は?
柏はもともと“つなぐ”ことには長けていたが、ネルシーニョ監督時代はボール支配には固執せず、相手のサッカーに臨機応変にリアクションを取るスタイルだった。
吉田新監督が目指す形はその真逆で、自分たちが主導権を握って攻撃を仕掛けるというもの。選手たちもその変化は肌で感じており、アカデミー出身のSB輪湖は「ボールが落ち着くということがチームの共通理解。サイドの選手は上がりやすいし、タイミングを考えるだけでいいくらい、(お互いの)考えが明確になったのがこれまでとの違い」と話している。
Q3
チーム最大の強みと懸念材料は?
最大の強みは、言うまでもなく「目指すべきサッカー」と「信念」があること。チームには強い一体感が感じられ、吉田監督もその姿勢は継続していきたいと話している。一方、懸念材料は「フィニッシュワーク」と「守備」だ。
ACLプレーオフでは、計47本のシュートを浴びせながら120分で3点(うち1点はPK)。ペナルティエリアに侵入しても、フィニッシュではなくパスを選択したり、枠を大きく外すシーンが多かった点は改善が必要だろう。また、同じ試合では二度も簡単に失点を許しており、高めに設定した最終ラインのコントロールやSBの裏のスペースがキーポイントになる。
Q4
ACLへの本気度(対策の充実ぶりなど)とチームの目標は?
吉田監督は韓国、ベトナム、中国のチームと戦うシミュレーションはできていると話す。攻撃陣では大津や太田、守備陣では山中らACLプレーオフでは途中出場に回った選手を含め、ターンオーバーさせるだけの層の厚さもある(吉田監督はターンオーバーについては触れていないが)。
茨田はACLへの意気込みについて「みんながクラブワールドカップに出場したいという気持ちが強く、ACLで優勝して、レイソルのサッカーを柏から世界へ轟かせたい」とコメント。13年大会のベスト4以上がひとつの指標となるだろう。
Q5
目標達成へのポイントは?
グループステージ突破には、韓国チャンピオンの全北現代戦が重要度を増す。過去の対戦成績は4戦4勝(計12得点・3失点)だが、元FC東京のエドゥーらブラジル人選手と韓国代表選手が融合し、「攻撃的なメンバーが揃い、とても能力が高い」(吉田監督)。まずは初戦に勝って勢いに乗りたい。
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)
2008年のG大阪以来、このタイトルから遠ざかっている日本勢だが、果たして今季はいかなる戦いぶりを見せてくれるのだろうか。
ここでは、17日のプレーオフを勝ち抜いた柏の現状とACL躍進へのポイントを探る。
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柏レイソル
ACL最高成績:ベスト4(2013年)
昨季リーグ成績:4位 勝点60 17勝9分8敗 48得点・40失点
Q1
補強を含めたプレシーズンここまでの準備は、100点満点中何点?
70点
どこよりも早い公式戦(2月17日のACLプレーオフ/〇3-2)に照準を合わせ、急ピッチでチーム作りを推進。アカデミーで確立したスタイルをトップチームに移行するとあって、戦術の浸透は思いのほか早く、吉田監督、選手ともに手応えを感じている。新加入の目玉である大津はやや調整が遅れているが、初の公式戦を含めた仕上がりとしては「準備期間がなかったなか、60~70点は付けていいと思う」(茨田)。
Q2
昨季から大きく変わった点は?
柏はもともと“つなぐ”ことには長けていたが、ネルシーニョ監督時代はボール支配には固執せず、相手のサッカーに臨機応変にリアクションを取るスタイルだった。
吉田新監督が目指す形はその真逆で、自分たちが主導権を握って攻撃を仕掛けるというもの。選手たちもその変化は肌で感じており、アカデミー出身のSB輪湖は「ボールが落ち着くということがチームの共通理解。サイドの選手は上がりやすいし、タイミングを考えるだけでいいくらい、(お互いの)考えが明確になったのがこれまでとの違い」と話している。
Q3
チーム最大の強みと懸念材料は?
最大の強みは、言うまでもなく「目指すべきサッカー」と「信念」があること。チームには強い一体感が感じられ、吉田監督もその姿勢は継続していきたいと話している。一方、懸念材料は「フィニッシュワーク」と「守備」だ。
ACLプレーオフでは、計47本のシュートを浴びせながら120分で3点(うち1点はPK)。ペナルティエリアに侵入しても、フィニッシュではなくパスを選択したり、枠を大きく外すシーンが多かった点は改善が必要だろう。また、同じ試合では二度も簡単に失点を許しており、高めに設定した最終ラインのコントロールやSBの裏のスペースがキーポイントになる。
Q4
ACLへの本気度(対策の充実ぶりなど)とチームの目標は?
吉田監督は韓国、ベトナム、中国のチームと戦うシミュレーションはできていると話す。攻撃陣では大津や太田、守備陣では山中らACLプレーオフでは途中出場に回った選手を含め、ターンオーバーさせるだけの層の厚さもある(吉田監督はターンオーバーについては触れていないが)。
茨田はACLへの意気込みについて「みんながクラブワールドカップに出場したいという気持ちが強く、ACLで優勝して、レイソルのサッカーを柏から世界へ轟かせたい」とコメント。13年大会のベスト4以上がひとつの指標となるだろう。
Q5
目標達成へのポイントは?
グループステージ突破には、韓国チャンピオンの全北現代戦が重要度を増す。過去の対戦成績は4戦4勝(計12得点・3失点)だが、元FC東京のエドゥーらブラジル人選手と韓国代表選手が融合し、「攻撃的なメンバーが揃い、とても能力が高い」(吉田監督)。まずは初戦に勝って勢いに乗りたい。
取材・文:小田智史(サッカーダイジェスト編集部)