新戦力を上手く取り込み、チームのグレードは高まった。
Jリーグよりもひと足先に開幕するアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)。日本勢は2月24日にG大阪、柏が開幕戦を迎え、翌25日には鹿島、浦和が登場する。
2008年のG大阪以来、このタイトルから遠ざかっている日本勢だが、果たして今季はいかなる戦いぶりを見せてくれるのだろうか。
ここでは、悲願のタイトル獲得を目指す鹿島の現状とACL躍進へのポイントを探る。
――◆――◆――
鹿島
ACL最高成績:ベスト8(2008年)
昨季リーグ成績:3位 勝点60 18勝6分10敗 64得点・39失点
Q1
補強を含めたプレシーズンここまでの準備は、100点中何点?
70点
主力は昨季とほとんどかわらず、新加入の高崎やファン・ソッコらも順調にフィット。元韓国代表とCBコンビを組む昌子が「能力が高い選手なので、なんでも合わせてくれる。日本語も喋れるので、言葉の面でも影響はない」と手応えを語るように、上手く新戦力を取り込んでチームのグレードは高まった。
また、別メニュー中だったカイオも戦列に復帰しており、コンディションも徐々に上がっているようだ。離脱者は昨季に左膝を負傷してリハビリ中のダヴィくらいで、順調にチーム作りが進んでいるといっていいだろう。
Q2
昨季から大きく変わった点は?
戦術的な変更点はないものの、新加入選手による化学反応は起きている。とりわけ、1トップ高崎のプレーが印象的で、昨季のチームに不足していた高さと前線でのタメを作ってくれそうだ。
中盤にタレントが揃う鹿島は、1トップのポストプレーに頼らなくても、遠藤を起点としたサイド攻撃や、2ボランチの小笠原、柴崎からの配球で攻撃を組み立てられるが、新たに高崎を狙ったロングボールやアーリークロスというバリエーションが加わり、選択肢が広がっている。
Q3
チーム最大の強みと懸念材料は?
前述のとおり、中盤に攻撃センスに長けたタレントが揃っているのが強みだろう。特に2列目は豪華そのもので、スタメン候補の遠藤、土居、カイオだけでなく、3年目を迎える中村やU-22代表の豊川、さらに元日本代表の金崎も控えている。誰が出ても遜色ないクオリティを備えており、ハイレベルなターンオーバーが可能だ。
懸念材料は、やはり1トップの層の薄さだろう。実戦に耐えられるレベルの本職CFは高崎と赤﨑のふたりのみ。場合によっては、中村や金崎の起用も考えられるが、駒不足の感は拭えない。
Q4 ACLへの本気度(対策の充実ぶりなど)とチームの目標は?
怒涛の21連勤――。チームは、2月15日のオフを最後に、リーグ開幕の清水戦翌日となる3月9日までオフを設けずに走り抜くことを決めている。緊張感を持続したまま、3連戦(ACL1・2節とリーグ開幕戦)を戦う狙いで、これひとつをとってもタイトル獲得にかけるクラブの高い意気込みが伝わるというものだ。
現場の選手たちも「四冠を狙う」(昌子)と目標設定は高く、「まずは目の前の試合を勝つことが大事。次のACLに照準を合わせている」(金崎)とスタートダッシュに向けて着々と準備は進んでいる。
Q5
目標達成へのポイントは?
長距離移動による負担も大きいACLは、いかに選手の疲労を軽減するかがポイントのひとつだ。鹿島は先に述べた2列目をはじめ、CFを除く各ポジションにハイレベルなバックアップが揃っているため、リーグ戦とのターンオーバーは可能。焦点は、どのタイミングで選手を入れ替えるかだろう。
その点で言えば、トニーニョ・セレーゾ監督は調子の良い選手をタイミングよくピックアップする印象で、上手くチーム全体のレベルを保ちながら、ふたつのコンペティションを戦い抜けるはずだ。
取材・文:五十嵐創(サッカーダイジェスト編集部)
2008年のG大阪以来、このタイトルから遠ざかっている日本勢だが、果たして今季はいかなる戦いぶりを見せてくれるのだろうか。
ここでは、悲願のタイトル獲得を目指す鹿島の現状とACL躍進へのポイントを探る。
――◆――◆――
鹿島
ACL最高成績:ベスト8(2008年)
昨季リーグ成績:3位 勝点60 18勝6分10敗 64得点・39失点
Q1
補強を含めたプレシーズンここまでの準備は、100点中何点?
70点
主力は昨季とほとんどかわらず、新加入の高崎やファン・ソッコらも順調にフィット。元韓国代表とCBコンビを組む昌子が「能力が高い選手なので、なんでも合わせてくれる。日本語も喋れるので、言葉の面でも影響はない」と手応えを語るように、上手く新戦力を取り込んでチームのグレードは高まった。
また、別メニュー中だったカイオも戦列に復帰しており、コンディションも徐々に上がっているようだ。離脱者は昨季に左膝を負傷してリハビリ中のダヴィくらいで、順調にチーム作りが進んでいるといっていいだろう。
Q2
昨季から大きく変わった点は?
戦術的な変更点はないものの、新加入選手による化学反応は起きている。とりわけ、1トップ高崎のプレーが印象的で、昨季のチームに不足していた高さと前線でのタメを作ってくれそうだ。
中盤にタレントが揃う鹿島は、1トップのポストプレーに頼らなくても、遠藤を起点としたサイド攻撃や、2ボランチの小笠原、柴崎からの配球で攻撃を組み立てられるが、新たに高崎を狙ったロングボールやアーリークロスというバリエーションが加わり、選択肢が広がっている。
Q3
チーム最大の強みと懸念材料は?
前述のとおり、中盤に攻撃センスに長けたタレントが揃っているのが強みだろう。特に2列目は豪華そのもので、スタメン候補の遠藤、土居、カイオだけでなく、3年目を迎える中村やU-22代表の豊川、さらに元日本代表の金崎も控えている。誰が出ても遜色ないクオリティを備えており、ハイレベルなターンオーバーが可能だ。
懸念材料は、やはり1トップの層の薄さだろう。実戦に耐えられるレベルの本職CFは高崎と赤﨑のふたりのみ。場合によっては、中村や金崎の起用も考えられるが、駒不足の感は拭えない。
Q4 ACLへの本気度(対策の充実ぶりなど)とチームの目標は?
怒涛の21連勤――。チームは、2月15日のオフを最後に、リーグ開幕の清水戦翌日となる3月9日までオフを設けずに走り抜くことを決めている。緊張感を持続したまま、3連戦(ACL1・2節とリーグ開幕戦)を戦う狙いで、これひとつをとってもタイトル獲得にかけるクラブの高い意気込みが伝わるというものだ。
現場の選手たちも「四冠を狙う」(昌子)と目標設定は高く、「まずは目の前の試合を勝つことが大事。次のACLに照準を合わせている」(金崎)とスタートダッシュに向けて着々と準備は進んでいる。
Q5
目標達成へのポイントは?
長距離移動による負担も大きいACLは、いかに選手の疲労を軽減するかがポイントのひとつだ。鹿島は先に述べた2列目をはじめ、CFを除く各ポジションにハイレベルなバックアップが揃っているため、リーグ戦とのターンオーバーは可能。焦点は、どのタイミングで選手を入れ替えるかだろう。
その点で言えば、トニーニョ・セレーゾ監督は調子の良い選手をタイミングよくピックアップする印象で、上手くチーム全体のレベルを保ちながら、ふたつのコンペティションを戦い抜けるはずだ。
取材・文:五十嵐創(サッカーダイジェスト編集部)