【データで見るACL】韓・中・豪に5勝14敗…日本は一発勝負に弱すぎる?

カテゴリ:Jリーグ

熊崎敬

2015年02月24日

昨年は準々決勝進出チームがゼロという体たらく。

今季はG大阪、浦和、鹿島、柏の4チームがACLに参戦。どこまで勝ち進むことができるか。 (C) SOCCER DIGEST

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 今季で13回目を迎えるアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)。過去12シーズンの東地区4強(日本、韓国、中国、オーストラリア)の成績を比較すると、興味深い事実が浮かび上がる。
 
 東地区、いや、アジア全体で頭ひとつ抜け出しているのは韓国だ。優勝4回はアジア最多であり、決勝進出7度ももちろんアジア最多。二度の日本を大きく上回る。
 
 日本と韓国は過去、それぞれ37チームをACLに送り込んだ。
 日本は37チーム中22チームがグループリーグ(GL)を突破、一方の韓国は24チームと、ともに約6割の確率でベスト16に進出している。

 GLの成績はほぼ互角。だが、決勝トーナメントに進んでから差が出てくる。
 
 日本は22チーム中13チームがベスト16で姿を消したが、韓国は24チーム中4チームしか負けていない。実に20チームがベスト8に勝ち進んでいる。
 日本はホーム&アウェーの一発勝負に弱く、韓国は強い。そうした傾向が数字にはっきりと表われているのだ。
 
 これは必ずしも日本は対韓国に弱い、ということではない。
 過去の日韓対決を調べると、日本から見て31勝18分け(1PK勝ち、1PK負けを含む)32敗。互角の成績が残っている。
 
 だが決勝トーナメントでの日韓対決に限定すると、韓国が圧倒的な勝率を収めている。決勝トーナメントで日韓対決は12回実現したが、日本は4度しか勝っていないのだ(次ラウンドへの勝ち上がり)。
 
 これは韓国が一発勝負に強いというより、日本が弱いと表現すべきかもしれない。というのも、決勝トーナメントの日本は韓国だけでなく、中国にも0勝3敗、オーストラリアにも1勝3敗と大きく負け越しているからだ。
 
 ちなみに日本の3チームを破った中国勢は、いずれも広州恒大。アジア屈指の金満クラブは日本の天敵であり、今大会の優勝候補のひとつだ。
 
 日本はなぜ一発勝負に弱いのか。
 これは様々な角度から検証しなければならないが、ひとつ考えられるのは、総合力と勝負強さの違いだろう。
 
 6試合で行なわれるGLは総合力の勝負になるが、ホーム&アウェーの一発勝負を勝ち抜くには、目の前のチャンスを決める、ピンチを抑える勝負強さが求められる。
 見た目は上手いが勝負に弱い。これは日本の大きな課題だろう。
 
 ベスト8に終わったアジアカップをはじめ、日本代表は近年、若年層も含めてアジアで勝てなくなってきた。これに歩調を合わせるように、クラブ勢もACLのタイトルから遠ざかっている。
 
 07年に浦和、08年にG大阪と日本勢が連覇を達成してから6年、ファイナリストが出ず、昨年は準々決勝進出チームがゼロという体たらくだった。
 
 2月24日から始まる今季のACL。G大阪、浦和、鹿島、柏の日本勢4チームはどこまで勝ち進むことができるだろうか。

文:熊崎敬

ACL国別戦績
国名 優勝 準優勝 4強 8強 16強 GL
日本 13 15
韓国 13
中国 24
豪州 11
 
日本の国別対戦成績
対韓国 通算31勝18分け32敗
対中国 通算24勝17分け24敗
対豪州 通算21勝6分け10敗
※対韓国の引き分けには1PK勝ち、1PK負けも含む
 
決勝トーナメントでの対韓国(4勝8敗)
07 準々決勝 ○浦和×全北現代
07 準決勝 ○浦和×城南一和
09 ラウンド16 ○名古屋×水原三星
09 ラウンド16 ●鹿島×ソウル
10 ラウンド16 ●鹿島×浦項
10 ラウンド16 ●G大阪×城南一和
11 ラウンド16 ●名古屋×水原三星
11 ラウンド16 ●鹿島×ソウル
11 準々決勝 ●C大阪×全北現代
12 ラウンド16 ●柏×蔚山現代
13 ラウンド16 ○柏×全北現代
14 ラウンド16 ●川崎×ソウル
 
決勝トーナメントでの対中国(0勝3敗)
12 ラウンド16 ●FC東京×広州恒大
13 準決勝 ●柏×広州恒大
14 ラウンド16 ●C大阪×広州恒大
 
決勝トーナメントでの対豪州(1勝3敗)
08 準々決勝 ●鹿島×アデレード
08 決勝 ○G大阪×アデレード
12 ラウンド16 ●名古屋×アデレード
14 ラウンド16 ●広島×WSW
 
日本勢の出場回数
6回 G大阪 優勝(08)16強(09、10、11)GL(06、12)
5回 鹿島 8強(08)16強(09、10、11)GL(03)
4回 川崎 8強(07、09)16強(14)GL(10)
3回 浦和 優勝(07)4強(08)GL(13)
  名古屋 4強(09)16強(11、12)
  広島 16強(14)GL(10、13)
  横浜 GL(04、05、14)
2回 4強(13)16強(12)
  C大阪 8強(11)16強(14)
  磐田 GL(04、05)
1回 FC東京 16強(12)
  清水 GL(03)
  東京V GL(06)
  仙台 GL(13)
 
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