東地区、いや、アジア全体で頭ひとつ抜け出しているのは韓国だ。優勝4回はアジア最多であり、決勝進出7度ももちろんアジア最多。二度の日本を大きく上回る。
日本と韓国は過去、それぞれ37チームをACLに送り込んだ。
日本は37チーム中22チームがグループリーグ(GL)を突破、一方の韓国は24チームと、ともに約6割の確率でベスト16に進出している。
GLの成績はほぼ互角。だが、決勝トーナメントに進んでから差が出てくる。
日本は22チーム中13チームがベスト16で姿を消したが、韓国は24チーム中4チームしか負けていない。実に20チームがベスト8に勝ち進んでいる。
日本はホーム&アウェーの一発勝負に弱く、韓国は強い。そうした傾向が数字にはっきりと表われているのだ。
これは必ずしも日本は対韓国に弱い、ということではない。
過去の日韓対決を調べると、日本から見て31勝18分け(1PK勝ち、1PK負けを含む)32敗。互角の成績が残っている。
だが決勝トーナメントでの日韓対決に限定すると、韓国が圧倒的な勝率を収めている。決勝トーナメントで日韓対決は12回実現したが、日本は4度しか勝っていないのだ(次ラウンドへの勝ち上がり)。
これは韓国が一発勝負に強いというより、日本が弱いと表現すべきかもしれない。というのも、決勝トーナメントの日本は韓国だけでなく、中国にも0勝3敗、オーストラリアにも1勝3敗と大きく負け越しているからだ。
ちなみに日本の3チームを破った中国勢は、いずれも広州恒大。アジア屈指の金満クラブは日本の天敵であり、今大会の優勝候補のひとつだ。
日本はなぜ一発勝負に弱いのか。
これは様々な角度から検証しなければならないが、ひとつ考えられるのは、総合力と勝負強さの違いだろう。
6試合で行なわれるGLは総合力の勝負になるが、ホーム&アウェーの一発勝負を勝ち抜くには、目の前のチャンスを決める、ピンチを抑える勝負強さが求められる。
見た目は上手いが勝負に弱い。これは日本の大きな課題だろう。
ベスト8に終わったアジアカップをはじめ、日本代表は近年、若年層も含めてアジアで勝てなくなってきた。これに歩調を合わせるように、クラブ勢もACLのタイトルから遠ざかっている。
07年に浦和、08年にG大阪と日本勢が連覇を達成してから6年、ファイナリストが出ず、昨年は準々決勝進出チームがゼロという体たらくだった。
2月24日から始まる今季のACL。G大阪、浦和、鹿島、柏の日本勢4チームはどこまで勝ち進むことができるだろうか。
文:熊崎敬
ACL国別戦績
国名 | 優勝 | 準優勝 | 4強 | 8強 | 16強 | GL |
日本 | 2 | 0 | 3 | 4 | 13 | 15 |
韓国 | 4 | 3 | 6 | 7 | 4 | 13 |
中国 | 1 | 0 | 2 | 5 | 3 | 24 |
豪州 | 1 | 1 | 0 | 0 | 3 | 11 |
日本の国別対戦成績
対韓国 | 通算31勝18分け32敗 |
対中国 | 通算24勝17分け24敗 |
対豪州 | 通算21勝6分け10敗 |
決勝トーナメントでの対韓国(4勝8敗)
07 準々決勝 | ○浦和×全北現代 |
07 準決勝 | ○浦和×城南一和 |
09 ラウンド16 | ○名古屋×水原三星 |
09 ラウンド16 | ●鹿島×ソウル |
10 ラウンド16 | ●鹿島×浦項 |
10 ラウンド16 | ●G大阪×城南一和 |
11 ラウンド16 | ●名古屋×水原三星 |
11 ラウンド16 | ●鹿島×ソウル |
11 準々決勝 | ●C大阪×全北現代 |
12 ラウンド16 | ●柏×蔚山現代 |
13 ラウンド16 | ○柏×全北現代 |
14 ラウンド16 | ●川崎×ソウル |
決勝トーナメントでの対中国(0勝3敗)
12 ラウンド16 | ●FC東京×広州恒大 |
13 準決勝 | ●柏×広州恒大 |
14 ラウンド16 | ●C大阪×広州恒大 |
決勝トーナメントでの対豪州(1勝3敗)
08 準々決勝 | ●鹿島×アデレード |
08 決勝 | ○G大阪×アデレード |
12 ラウンド16 | ●名古屋×アデレード |
14 ラウンド16 | ●広島×WSW |
日本勢の出場回数
6回 | G大阪 | 優勝(08)16強(09、10、11)GL(06、12) |
5回 | 鹿島 | 8強(08)16強(09、10、11)GL(03) |
4回 | 川崎 | 8強(07、09)16強(14)GL(10) |
3回 | 浦和 | 優勝(07)4強(08)GL(13) |
名古屋 | 4強(09)16強(11、12) | |
広島 | 16強(14)GL(10、13) | |
横浜 | GL(04、05、14) | |
2回 | 柏 | 4強(13)16強(12) |
C大阪 | 8強(11)16強(14) | |
磐田 | GL(04、05) | |
1回 | FC東京 | 16強(12) |
清水 | GL(03) | |
東京V | GL(06) | |
仙台 | GL(13) |