ここでは、昇格プレーオフを制してJ1に復帰した山形をクローズアップ。オフからの動向を踏まえ、今シーズンを展望する。
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モンテディオ山形
昨季リーグ成績:6位(J2) 勝点64 18勝10分14敗 57得点・44失点
Q1
オフの採点。 補強を含めたここまでの準備は100点満点で何点?
80点
昨季はレンタルだった山岸と川西を揃って完全移籍で獲得。ともにJ1昇格の立役者で、石﨑監督も「残ってくれたのは大きい」と笑みをこぼす。
また、いずれもレフティの瀬川と高木の加入で、右利きのキム・ボムヨンを右ウイングバックに回せる“余裕”が出てきたのもプラスだ。
練習試合では「新戦力がチームに馴染めるよう、不平不満が出ないように選手をシャッフルしながら使っている」(石﨑監督)ので、開幕戦に向けて良い意味での緊張感が保たれている。
Q2
昨季から大きく変わった点は?
奇跡の快進撃(J1昇格と天皇杯準優勝)を受け、石﨑監督は「良かったものをわざわざ壊す必要はない」と言う。すなわち、今季もシステムは1トップの後方に2シャドーを置く3-4-2-1で、基本戦術はハイプレスになる。
チームの骨格を形成するのは昨季の主力で、新戦力でスタメンに食い込みそうなのはCBの渡辺と左ウイングバックの瀬川くらい。大きな変化が求められるのは、シーズン序盤で躓いた場合だろう。その時は「システム変更を考える」と指揮官自身がコメントしている。
Q3
チームの最大の強みと懸念材料は?
石﨑監督にして「敵にしたら一番厄介じゃろ」というディエゴは、ゴールもアシストも期待できる優秀なアタッカーだ。このブラジル人FWに預ければ、高い確率でゴールを奪えるという拠りどころがあるのは大きな強みだろう。
一方で、自慢のプレスがハマらなかった時の次善策が現時点でないのは懸念される。G大阪との天皇杯決勝でも前線からの守備が機能せず、宇佐美、パトリックの個人技に翻ろうされた印象が強い。“J1レベルの個”にどう対応するかは、残留を果たすうえでポイントのひとつだ。