川崎の「ボックス攻略法」は効果的ながら…。
【試合内容】
パスワークで上回る川崎が序盤から主導権を掌握するも、神戸が狙いどおりのカウンターから29分に先制。後半に入っても攻め続ける川崎は、59分に大久保のゴールで同点としたが、72分にCKから高橋にヘディングでゴールを許し、再び1点を追う展開に。苦しい状況に追い込まれた川崎だったが、わずか1分後にレナトが同点弾。その後、相手を自陣にくぎ付けにする攻撃で畳みかけたが、最後の部分で呼吸が合わず、試合は2-2の引き分けに終わった。
【J1 PHOTOハイライト】1stステージ・2節
【J1採点&寸評】全9試合の評価をチェック!
【チーム採点・寸評】
川崎 6
テンポの良いパス回しで相手を押し込み、持ち味の攻撃力を遺憾なく発揮してボックスを攻略。シュート21本は特筆に値するも、チャンス数に対して2ゴールは物足りないところ。「もったいない失点」(谷口)を喫した守備は、まだ昨季のような軽さが残っている。
神戸 5.5
積極的なプレスで、先制点を奪取。その後は川崎の猛攻を受けるなか、ドローに持ち込んだ。
【川崎|採点・寸評】
GK
21 西部洋平 5.5
好セーブを何度も見せたが、CKからの軽い失点は反省材料。押し込む時間が長い川崎において、「一瞬の隙=失点」となりやすいだけに、2失点目はもったいなかった。
DF
3 角田 誠 6
1対1の守備対応はソツがなく、時折見せた持ち上がりが効果的で、相手の虚を突いてチャンスにつなげた。2ボランチへのマークが集中するなか、思い切り良く上がる回数を増やしたい。
5 谷口彰悟 6
セットプレーからのチャンスを仕留め切れなかったのは痛かった。2失点を喫したが、総じて安定感があり、及第点のパフォーマンスと言える。局面での判断スピードをより高めると、2ボランチの負担も減りそう。
17 武岡優斗 6
安田の裏を完全に取る場面もあり、その攻撃参加は間違いなく効いていた。相手との競り合いでも粘り強く身体を寄せるなど、肉弾戦でも強さを発揮。ただクロスの精度が低く、崩しの部分で変化がほしい。
20 車屋紳太郎 6
前に出るのか、中へ切れ込むのかという選択において、まだ迷いが見られる。ただ、タイミング良く絡んだ時は脅威を与えており、レナトとの連係が深まってくればリーグ屈指の左サイドを形成しそう。
MF
10 レナト 6.5
相手が寄せて来てもお構いなしの低重心の強引なドリブルは、今のJリーグで彼だけにしかできない芸当。左サイドで相手のラインを下げる突破を見せ、最終的に奥井を交代へと追いやった。ゴールも文句のつけようがない。
14 中村憲剛 6
タイトなマークを受けて何度かボールを失ったが、徐々にその裏を突くプレーも増加。マンツーマン気味に付かれても苦にせず、レナトへ絶妙な縦パスを通してゴールを演出した。これだけ好機を作れたのも14番の働きがあってこそ。
16 大島僚太 6
怪我の状態が心配されたが、パフォーマンスにはまったく影響せず。鋭い反転と細かいタッチで相手のマークを掻い潜り、ボールの運び役をきっちり務めた。序盤から終盤まで、中村とともに前線へボールを供給し、自身の役割は全う。
18 エウシーニョ 6.5
独特のリズムを刻むドリブルが良いアクセントになっており、衰えない運動量も際立った。最後の部分でまだ周囲と微妙に呼吸が合っていないが、そこは「意識」の問題。安田の裏を繰り返し突き、及第点以上の働きを披露した。
FW
11 小林 悠 6
前線でボールを確実に収め、攻撃の起点として機能。動きの質自体は極めて高く、そこにボールが入ればゴールという場面を何度も作り出した。最後まで相手に脅威を与え続け、あえて評価を下げるポイントも見当たらない。
13 大久保嘉人 6
イメージどおりにボールが届かず、ゴール前で苛立ちを見せるシーンが頻発。それでも2試合連続ゴールと結果を残し、チーム最多のシュート6本と攻撃を牽引した。パスを出せる時でも強引にシュートを放ったが、それこそが彼の真骨頂だ。
交代出場
なし
監督
風間八宏 6
何度もエリア内に侵入する形を作り出し、フィニッシュ時の精度を除けば監督の思惑どおり。今後は攻撃面の精度をより高めつつ、「軽い失点」をどれだけ減らせるかが課題となる。
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