【日本代表】なによりも「結果」にこだわった宇佐美貴史の入魂の一撃!

カテゴリ:日本代表

塚越 始(サッカーダイジェスト)

2015年03月31日

試合後、宇佐美は「結果」という言葉を何度も繰り返した。

83分、宇佐美が敵ふたりの間をドリブルで抜け出し、強烈なシュートを決める。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

画像を見る

 その瞬間、己のなかに溜まっていた様々な想いを爆発させるように、思い切り飛び跳ね歓喜のポーズを作った。
 
 途中出場の宇佐美貴史が、ついに代表初ゴールを突き刺した。
 
 83分、前線のスペースを突いた背番号30が、大迫からのフィードをペナルティエリアの前で受ける。その瞬間、ドリブルで抜けて行くふたつのコースの選択肢が頭に浮かんだという。
「どちらのコース取りで行こうかと思ったが、パッとシュートまでのイメージが浮かんだ」
 
 選択したのは相手DFふたりの間の狭いスペースを抜ける、“やや難解だが突破できればビッグチャンスになる”というルートだった。
 
 ボールに細かく触れながら、急激なギアチェンジでトップスピードへ上げると、持ち前の切れ味鋭いジャックナイフばりのドリブル突破でその道筋を踏破。
 
 GKトゥラエフと1対1になると、「この間(チュニジア戦)は、サイドへ転がすシュートを打って外していた。だからパンチがあるように、強めに蹴ることを意識した」と一瞬で判断し、インステップで狙い澄ましたショットをゴール隅に確実に突き刺した。
 
 チュニジア戦での決定的なシュートがゴールポストに嫌われ、ボールが手前に戻るように転がってきた。あのシーンも、今回のための小さな試練だったとも言えた。実際、よりインパクトの残る鮮やかなショットだった。
 
 もちろん、喜びを爆発させたとはいえ、このゴールの伏線は理解している。決して、自分の力だけで生まれた初得点ではない、と――。
 
「(先発した)2列目の3人が流動的に動き続けていたから、相手を疲れさせてくれた。だから僕ら(途中出場の選手)は、トドメを刺すために出ていったと言える。力を出しやすくしてくれた。スタート(試合開始)から出ていたら、違っていた」
 
 そして宇佐美は強調した。
「だからこそ、結果を出すことが大事だった」
 
 印象的だったのは、宇佐美が「結果」という言葉を何度も繰り返していたことだ。
「なんとしてもここ(日本代表)に残るために、『結果』を残すことを繰り返さないといけない」
「同じミスをしないことが大事だった。やっぱり『結果』しかない」
「誰もが『結果』を求めている」
 
 この試合で、いったい、自分になにが求められているのか。それは「結果=ゴール」しかない。そう自らに言い聞かせてピッチに立ち、その自分自身に対する回答を示した、まさに入魂の一撃だった。
【関連記事】
【日本 対 ウズベキスタン】サッカーダイジェスト取材記者の採点&寸評
【日本 5-1 ウズベキスタン】青山、宇佐美、川又が代表初ゴール ハリル体制2連勝!
【ウズベキスタン戦プレビュー】注目は本田、香川、岡崎の起用法。革命の予兆となる可能性も
【藤田俊哉の目】宇佐美よ、日本代表の“軸”になるなら2戦目で結果を出せ!
【セルジオ越後の天国と地獄】結果ばかりを追い求めたら、同じことの繰り返しだよ
【日本代表】宇佐美、永井らを唸らせた本田圭佑のクオリティ
【日本代表】金田喜稔がチュニジア戦を分析|野心とプライドを呼び起こした“ハリル・マジック”

サッカーダイジェストTV

詳細を見る

 動画をもっと見る

Facebookでコメント

サッカーダイジェストの最新号

  • 週刊サッカーダイジェスト 完全保存版!
    11月9日発売
    ルヴァンカップ制覇!!
    名古屋グランパス
    クラブ一丸で成し遂げた
    万感の王座への帰還
    詳細はこちら

  • ワールドサッカーダイジェスト スペシャル企画
    11月21日発売
    未知の発見も!
    世界100か国
    「天才」&「怪物」図鑑
    今後5~10年の主役たちを網羅
    詳細はこちら

  • 高校サッカーダイジェスト 高校サッカーダイジェストVo.40
    1月12日発売
    第102回全国高校選手権
    決戦速報号
    青森山田が4度目V
    全47試合を完全レポート
    詳細はこちら

>>広告掲載のお問合せ

ページトップへ