「感覚が似ているから、任がほしいボールや場所は分かる」(清水)
スタートは塩田のゴールキックだった。一度は撥ね返されたものの、それを河本裕之が再び前線へと送る。江坂が胸でマテウスへと落とし、金澤、横谷、そして再びマテウス。菅井直樹のスライディングにより阻まれたかのように見えたが、ボールは左でフリーだった清水のもとへと転がった。
ターンすると、前に立ち塞がったのは大岩。しかし、抜かれることを警戒してか距離を詰めてこない。同時に三田が猛スピードで寄せてくる。清水に迷いはなかった。シンプルに利き足とは逆の左足でアーリークロスを上げた。
「練習から同じ形でクロスを上げていたし、ボールがこぼれてきた時に(江坂)任の動きは目に入っていた。感覚が似ているから、任が欲しいボールや場所は分かる。あのポイントに上手く入られたらDFも防ぎようがない」
アシスト側の言い分を、ゴール側はどう感じているのだろうか。「(清水)慎太郎がターンした瞬間に、『絶対にボールが来る』と信じて走った。相手DFより自分のほうが反応は早かったし、それが勝因だと思う。ピンポイントクロスを供給してくれた慎太郎に感謝ですね」
確かに、清水がボールを持つと同時に江坂はトップギアに入れてゴール前へと侵入している。しかもDFとDFの間を上手く突くようにコースを微調整しながら、だ。「練習の時から慎太郎とのコンビネーションは良いですから。自分の形というか、良い動き出しがゴールにつながった」
ただ、その清水の高精度クロスと江坂の秀逸な走り込みの他に、もうひとつ勝ち越し点の要因がある。それは、シュートをミートする瞬間。「GKが思ったより近くて、しっかりとミートするだけでは当たってしまいそうだった。だから、叩きつけるイメージで当てた」
ボールの軌道を確認すれば、確かにわざと下を狙っているのが分かる。一瞬の判断力と、しっかりと実行に移せる技術力には脱帽するしかないだろう。
清水は「走り込むはず」と江坂を信じ、江坂も「クロスが来るはず」と清水を信じた。そしてお互いにその信頼を裏切らぬ素晴らしいプレーを披露した。そんなふたりのヒーローが創出する歓喜の瞬間は、これから何度訪れるだろうか。
取材対応の最後を江坂はこんな言葉で締め括っている。「これで慎太郎の出場機会ももっと増えると思う。必然的にコンビネーションを披露するチャンスも多くなるはずなので、それをきちんと結果に結び付けたい」
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)
ターンすると、前に立ち塞がったのは大岩。しかし、抜かれることを警戒してか距離を詰めてこない。同時に三田が猛スピードで寄せてくる。清水に迷いはなかった。シンプルに利き足とは逆の左足でアーリークロスを上げた。
「練習から同じ形でクロスを上げていたし、ボールがこぼれてきた時に(江坂)任の動きは目に入っていた。感覚が似ているから、任が欲しいボールや場所は分かる。あのポイントに上手く入られたらDFも防ぎようがない」
アシスト側の言い分を、ゴール側はどう感じているのだろうか。「(清水)慎太郎がターンした瞬間に、『絶対にボールが来る』と信じて走った。相手DFより自分のほうが反応は早かったし、それが勝因だと思う。ピンポイントクロスを供給してくれた慎太郎に感謝ですね」
確かに、清水がボールを持つと同時に江坂はトップギアに入れてゴール前へと侵入している。しかもDFとDFの間を上手く突くようにコースを微調整しながら、だ。「練習の時から慎太郎とのコンビネーションは良いですから。自分の形というか、良い動き出しがゴールにつながった」
ただ、その清水の高精度クロスと江坂の秀逸な走り込みの他に、もうひとつ勝ち越し点の要因がある。それは、シュートをミートする瞬間。「GKが思ったより近くて、しっかりとミートするだけでは当たってしまいそうだった。だから、叩きつけるイメージで当てた」
ボールの軌道を確認すれば、確かにわざと下を狙っているのが分かる。一瞬の判断力と、しっかりと実行に移せる技術力には脱帽するしかないだろう。
清水は「走り込むはず」と江坂を信じ、江坂も「クロスが来るはず」と清水を信じた。そしてお互いにその信頼を裏切らぬ素晴らしいプレーを披露した。そんなふたりのヒーローが創出する歓喜の瞬間は、これから何度訪れるだろうか。
取材対応の最後を江坂はこんな言葉で締め括っている。「これで慎太郎の出場機会ももっと増えると思う。必然的にコンビネーションを披露するチャンスも多くなるはずなので、それをきちんと結果に結び付けたい」
取材・文:古田土恵介(サッカーダイジェスト編集部)