――１週間の練習参加の後に契約に至りましたが、その時の感情は？
 
「よっしゃ！」みたいな感じではなかったですね。もうチームに入っていたから「ここからだな」と感じたし、なによりシンプルに練習が楽しかった。新しい環境でプレーする楽しさが、契約した嬉しさより勝っていました。

――楽しいと感じたのは具体的に？

　元々、自分の存在を一からアピールするみたいなことが好きなんです。スペインだと誰も俺を知らないじゃないですか。そのゼロからのスタートが面白かった。良いプレーをしたら仲間に少し認めてもらえたりとか、そういうのを楽しめるタイプなんです。

――認めてもらえたと感じたタイミングは？

　練習生で参加している時に、ある程度実力は分かってもらえるじゃないですか。それで、チームメイトは普通に接してくれたんですけど、ちゃんと認められたのはデビュー戦が終わってからですね。そこで絆が深まったと思っています。

――２月に加入して３月にデビューですよね。練習生から契約した選手としては、早いタイミングでの出場だったと感じているのですが。

　正直、もう少し時間がかかるかなと思っていたから、上手いこと行けたなと感じました。レギュラーの選手が警告累積で出場停止になったタイミングで俺が試されたんです。半年契約だったので、「１か月で出場しないといけない」と思って、ガムシャラにアピールできたのも大きかったと思いますね。

――半年契約だと焦りもあったのでは？

　実際は、シーズン終了まで４か月しかなかったですからね。もうシーズン後半戦が始まっていましたから。そのなかでCBとしてインパクトを残さないといけなかった。数字が出るポジションではないので、全力でアピールしてダメだったら仕方ないと思ってやっていました。

――スペインでのデビュー戦は右SBで出場しています。練習でも右SBをメインでやっていたんですか？
 
　いろいろなポジションで試されました。主に右SBとCBでしたけど、練習参加の時点で「右SBはできるか？」と聞かれていたので、「できます」と言うしかなかった（笑）。まあ、柏では４バックの右SBもやったことがあったので、できないことはないと思っていました。