強豪国との力の差を思い知らされたふたつの国際大会。
◇1999年 コパ・アメリカ
6月29日 ●2‐3 ペルー代表
7月2日 ●0‐3 パラグアイ代表
7月5日 △1‐1 ボリビア代表
93年にJリーグがスタートして以降、日本サッカー界を取り巻く環境は大きく変わり、日本代表が対戦相手に迎える相手も、年々豪華さを増していった。しかし、それはほとんどが親善試合であり、世界のトップレベルと真剣勝負で対峙できる機会は、アジアの国の代表チームにとって、ワールドカップなどごくわずかだった。
99年、格好のチャンスが巡ってきた。パラグアイで開催される南米サッカーの祭典、コパ・アメリカへ、招待国として参加することになったのだ。同年4月に、U-20代表がナイジェリアでのワールドユースで準優勝という日本サッカー史上に残る偉業を成し遂げており、A代表も南米の地で結果を残さんと、意気高くパラグアイに乗り込んだ。
しかし、キリンカップなどで対戦する南米の代表チームとは、まったく違っていた。個人技でも組織でも上回るペルーやパラグアイにはスコア以上の完敗を喫し、実力的には同等以上と言えたボリビアにも引き分けに持ち込まれるなど、戦前の期待とは裏腹に問題ばかりが噴出し、フィリップ・トルシエ監督の去就をめぐって大論争が巻き起こるきっかけとなってしまった。
◇2013年 コンフェデレーションズ・カップ
6月15日 ●0‐3 ブラジル代表
6月19日 ●3‐4 イタリア代表
6月22日 ●1‐2 メキシコ代表
そして、まだ記憶に新しい昨夏のコンフェデレーションズ・カップ。アルベルト・ザッケローニ監督の下で2011年のアジアカップを勝ち取り、大陸王者としてブラジルに上陸した日本は、開催国ブラジル、イタリアといった一流国と対戦する機会に恵まれた。
果たせるかな、結果は3連敗。ブラジルにはネイマールの開始早々のミドルで度肝を抜かれて完敗を喫する。イタリア戦ではプレー自体は評価が高かったものの、勝負という面では2点のリードを守れずに逆転を許す未熟さを露呈。メキシコ戦では、ブラジル戦同様に相手のプレッシャーに屈した。
これ以上ない力試しの場で3連敗と、この頃はザックジャパンでの4年間で最も低迷した時期だったが、ここからザッケローニ監督がようやく新戦力を試すなどこれまでにない動きを見せたことで、新陳代謝が図られ、徐々に、そして確実に日本は上昇を始めた。
――◆――◆――
欧州遠征が1936年(ベルリン・オリンピック)以来、どの監督の下でも高い頻度で行なわれているのに対し、南米遠征は過去に4度だけであり、しかも途上期の遠征2回、強豪国との真剣勝負が2回とあれば、勝利なしという結果も別に不思議なことではないのかもしれない。ならば、日本代表の成長ぶりを示す意味でも、ブラジル・ワールドカップでは早く記念の1勝を挙げてほしいものだ。
果たして今回、南米は日本にとって、一度も勝てない大陸から、縁起のいい大陸へと変貌を遂げるだろうか。
6月29日 ●2‐3 ペルー代表
7月2日 ●0‐3 パラグアイ代表
7月5日 △1‐1 ボリビア代表
93年にJリーグがスタートして以降、日本サッカー界を取り巻く環境は大きく変わり、日本代表が対戦相手に迎える相手も、年々豪華さを増していった。しかし、それはほとんどが親善試合であり、世界のトップレベルと真剣勝負で対峙できる機会は、アジアの国の代表チームにとって、ワールドカップなどごくわずかだった。
99年、格好のチャンスが巡ってきた。パラグアイで開催される南米サッカーの祭典、コパ・アメリカへ、招待国として参加することになったのだ。同年4月に、U-20代表がナイジェリアでのワールドユースで準優勝という日本サッカー史上に残る偉業を成し遂げており、A代表も南米の地で結果を残さんと、意気高くパラグアイに乗り込んだ。
しかし、キリンカップなどで対戦する南米の代表チームとは、まったく違っていた。個人技でも組織でも上回るペルーやパラグアイにはスコア以上の完敗を喫し、実力的には同等以上と言えたボリビアにも引き分けに持ち込まれるなど、戦前の期待とは裏腹に問題ばかりが噴出し、フィリップ・トルシエ監督の去就をめぐって大論争が巻き起こるきっかけとなってしまった。
◇2013年 コンフェデレーションズ・カップ
6月15日 ●0‐3 ブラジル代表
6月19日 ●3‐4 イタリア代表
6月22日 ●1‐2 メキシコ代表
そして、まだ記憶に新しい昨夏のコンフェデレーションズ・カップ。アルベルト・ザッケローニ監督の下で2011年のアジアカップを勝ち取り、大陸王者としてブラジルに上陸した日本は、開催国ブラジル、イタリアといった一流国と対戦する機会に恵まれた。
果たせるかな、結果は3連敗。ブラジルにはネイマールの開始早々のミドルで度肝を抜かれて完敗を喫する。イタリア戦ではプレー自体は評価が高かったものの、勝負という面では2点のリードを守れずに逆転を許す未熟さを露呈。メキシコ戦では、ブラジル戦同様に相手のプレッシャーに屈した。
これ以上ない力試しの場で3連敗と、この頃はザックジャパンでの4年間で最も低迷した時期だったが、ここからザッケローニ監督がようやく新戦力を試すなどこれまでにない動きを見せたことで、新陳代謝が図られ、徐々に、そして確実に日本は上昇を始めた。
――◆――◆――
欧州遠征が1936年(ベルリン・オリンピック)以来、どの監督の下でも高い頻度で行なわれているのに対し、南米遠征は過去に4度だけであり、しかも途上期の遠征2回、強豪国との真剣勝負が2回とあれば、勝利なしという結果も別に不思議なことではないのかもしれない。ならば、日本代表の成長ぶりを示す意味でも、ブラジル・ワールドカップでは早く記念の1勝を挙げてほしいものだ。
果たして今回、南米は日本にとって、一度も勝てない大陸から、縁起のいい大陸へと変貌を遂げるだろうか。