「こうしたゴールが決まれば、チームは強くなっていける」
このゴールが、チームに与えた効果は非常に大きい。「キャプテンの意地の一撃でしたね」と、前半は左WB、後半は右WBでフル出場した宇賀神は振り返り、こう続ける。
「『走る』『我慢する』。そこがこの試合のポイントだった。そこをしっかり続けていき、あの意地の一撃を決めてくれた」
「走る」という浦和のスタイルを貫きつつ、しっかり「我慢する」。耐えて相手が疲れてきたところを突けば、必ず勝機は見出せるという成功体験を、湘南戦に続いて作れたわけだ。
ちなみに先週のある日の居残り練習で、宇賀神は阿部に「最近、阿部ちゃんの凄いミドル見てないですね。そろそろじゃないですか」と話していたそうだ。「あの話をしていたから決まったんだと思いますよ」と、決勝ゴールの“舞台裏”を明かしてくれた。
また、柏木は「誰が見ても分かる、文句なしのゴール。スーパーでしょ」と、主将の決勝弾を絶賛。さらに、「ちょうど全体的に疲れが出始めていた。その時間帯にこうしたゴールが決まれば、チームは強くなっていける」と語る。
そしてなにより、阿部のゴールはそこに至るまでの過程も素晴らしかった。
直前まで、彼は自陣のゴール前でビルドアップに顔を出していた(危うくボールを失いそうにもなった)。そこから一気に駆け上がって攻撃に加わり、あの強烈なミドルシュートを突き刺したのである。
黒子にもなり、主役にもなる――。全員攻撃・全員守備をモットーに掲げる浦和を象徴する存在が決めた、まさに浦和らしいゴール。湘南、山形とハードワークを身上とするチームに対し、運動量で上回って勝利をものにしたのも大きい。
「縦パスを入れられるタイミングで、入れられていない。そこはシンプルにもっと出していっても良いかもしれない」(柏木)など、まだ攻撃時の連係などに課題を残してはいる。だがそれでも、武骨さが感じられる開幕2連勝。しぶとく勝利を手繰り寄せた“強引さ”はどこか新鮮であり、2015年版の浦和の強みになっていくような気配を感じさせた。
もちろん、そうした「気配」が本物の力となり、Jリーグやアジアの強豪を相手にしても発揮できるかどうかは、このあとに続く17日のACL・北京国安戦、22日のリーグ3節・広島戦で改めて真価が問われる。
リーグ戦で開幕2連勝と結果を残したチームは、アウェーでのACL・北京国安戦に向けて15日に日本を出発する。
「ひとつ勝たないと、次につながらない。やるだけです」
殊勲の阿部はACLでの初勝利を誓った。
取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)
「『走る』『我慢する』。そこがこの試合のポイントだった。そこをしっかり続けていき、あの意地の一撃を決めてくれた」
「走る」という浦和のスタイルを貫きつつ、しっかり「我慢する」。耐えて相手が疲れてきたところを突けば、必ず勝機は見出せるという成功体験を、湘南戦に続いて作れたわけだ。
ちなみに先週のある日の居残り練習で、宇賀神は阿部に「最近、阿部ちゃんの凄いミドル見てないですね。そろそろじゃないですか」と話していたそうだ。「あの話をしていたから決まったんだと思いますよ」と、決勝ゴールの“舞台裏”を明かしてくれた。
また、柏木は「誰が見ても分かる、文句なしのゴール。スーパーでしょ」と、主将の決勝弾を絶賛。さらに、「ちょうど全体的に疲れが出始めていた。その時間帯にこうしたゴールが決まれば、チームは強くなっていける」と語る。
そしてなにより、阿部のゴールはそこに至るまでの過程も素晴らしかった。
直前まで、彼は自陣のゴール前でビルドアップに顔を出していた(危うくボールを失いそうにもなった)。そこから一気に駆け上がって攻撃に加わり、あの強烈なミドルシュートを突き刺したのである。
黒子にもなり、主役にもなる――。全員攻撃・全員守備をモットーに掲げる浦和を象徴する存在が決めた、まさに浦和らしいゴール。湘南、山形とハードワークを身上とするチームに対し、運動量で上回って勝利をものにしたのも大きい。
「縦パスを入れられるタイミングで、入れられていない。そこはシンプルにもっと出していっても良いかもしれない」(柏木)など、まだ攻撃時の連係などに課題を残してはいる。だがそれでも、武骨さが感じられる開幕2連勝。しぶとく勝利を手繰り寄せた“強引さ”はどこか新鮮であり、2015年版の浦和の強みになっていくような気配を感じさせた。
もちろん、そうした「気配」が本物の力となり、Jリーグやアジアの強豪を相手にしても発揮できるかどうかは、このあとに続く17日のACL・北京国安戦、22日のリーグ3節・広島戦で改めて真価が問われる。
リーグ戦で開幕2連勝と結果を残したチームは、アウェーでのACL・北京国安戦に向けて15日に日本を出発する。
「ひとつ勝たないと、次につながらない。やるだけです」
殊勲の阿部はACLでの初勝利を誓った。
取材・文:塚越 始(サッカーダイジェスト編集部)