【セルジオ越後の天国と地獄】ACLで簡単に負けるのは、誰も責任を問わないから

カテゴリ:特集

週刊サッカーダイジェスト編集部

2014年05月22日

格差がないJリーグでは、どこが躍進しても不思議ではない。

大躍進する鳥栖(写真)と神戸。約2か月の中断期間を経ても、この流れを持続できるか!? (C) SOCCER DIGEST

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 今季のJ1リーグは14節が終わってワールドカップのための中断期間に突入した。序盤の戦いを見る限り、サガンとヴィッセルの躍進が光っている。サガンはここまで9勝を挙げて2位に、ヴィッセルはJ1最多の26ゴールを挙げて3位に付けている。この両チームに共通するのは、ストロングポイントがはっきりしている点だ。
 
 ユン・ジョンファン監督の厳しいトレーニングによって体力面に秀でるサガンは、チーム全体でハードワークし、エースの豊田に得点チャンスを与えている。
 一方、ヴィッセルは前線に強烈なブラジル人コンビがいる。9ゴールで得点ランク1位のP・ジュニオールと、7ゴールで同4位のマルキーニョスだ。助っ人がこれだけ活躍してくれたなら、チームが上位にいるのも当然だ。
 
 ただし、僕はこの両チームの躍進に驚いてはいない。12年にはベガルタが大躍進し、昨年のアルディージャの例もある。今シーズンも例年どおり、戦力の格差がほとんどない状態で、どのチームにも上位進出のチャンスがあるからだ。彼らがどこまでリーグを牽引するか、これからも注目したい。
 
 一方、僕がガッカリしているのは、期待していたセレッソだ。大枚をはたいてフォルランを補強したものの、チームの成績はパッとしない。ACLに出場していたため、過密日程を余儀なくされたけど、それにしても、セレッソらしい迫力ある攻撃が見られなくなっている。
 
 フォルランは次第に調子を上げて来たけど、柿谷はまったく調子を取り戻せていない。動きに精彩を欠いているし、決定機も逃し続けている。プレッシャーに苛まれ、精神的に参っているんじゃないかな。
 
 柿谷はチーム戦術の犠牲になっているようにも見える。ポポヴィッチ監督になってから、後ろのほうでボールを回しているばかり。クルピ監督が作り上げた、迫力があってスピーディな攻撃が、まるで消え失せてしまっている。
 
 ポポヴィッチ監督はFC東京時代に中位から脱却できず、契約満了になったのに、セレッソはなぜ、彼をクルピ監督の後任に指名したのか。僕には、ちょっと理解できないよ。こんな調子をいつまでも続けていたら、せっかく増えてきたサポーターがどこかに行ってしまうよ。
 
 いずれにしても、現在、調子の良いチームは中断期間を経てもこの流れを維持できるかどうか。一方、調子の悪いチームは中断期間に補強するなりしてチームを立て直さなければならない。特に開幕前の期待値が高かったセレッソ、下位に低迷するガンバ、グランパスの後半戦の戦いに注目したい。
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