選手としても、人としても、強くなったという自負が。
湘南は28節終了時点でリーグ最多の58得点を挙げ、シーズン始動日に掲げた80得点の目標も実現可能な攻撃力を見せつけている。もっとも、対戦は2巡目に入り、守りを固めるなど相手も対策を練ってきており、24節から26節は3試合で計1得点しか奪えなかった。その意味でも、大竹は期待の存在なのだ。サイド攻撃や速攻という今のチームの持ち味に、中央のバリエーションを加えうるのが大竹だ。
「うちには中央で選択肢となれるタイプの選手はあまりいない。洋平のような1.5列や2列目から得点を取れる選手がいることは、チームの浮沈の鍵を握ると思います。途中からでも、最初からでもチームに勢いを与えてくれれば理想ですね」
曺監督がそう語れば、岡田も大竹がもたらす“新たな側面”に期待する。
「洋平は中盤に下りてきて時間を作ってくれるし、前にいて常にスルーパスを出せる体勢でいてくれるので、僕としてもやりやすいですね。洋平が持ったら裏を狙うだとか、スルーパスに反応するのは、自分にとっても楽しい。昔一緒にプレーしていた仲なので、ふたりにしか分からないようなコンビネーションを出していきたいです」
そうした期待を、大竹は痛いほど感じ、果たすべき責務を自覚している。
「チームはすごく調子が良いし、首位なんですけど、最近はゴールが取れない試合もあった。自分はそこを打開するための突破口になりたい。みんな縦の意識が強く、去年よりも前にボールが入るようになっているので、そこで前を向いてドリブルだったり、パスだったり、シュートだったり、ゴールに向かっていくプレーを多く出したいと思います」
主戦場となるシャドーは、岡田、武富に加え、清水から移籍してきた樋口寛規や吉濱遼平などがポジションを争うチーム一の激戦区だ。シーズン半分をリハビリに費やし、まだゲーム感覚が万全でないことに、もどかしさや焦りを少なからず感じるという。反面、プレーヤーとして、人間として、一回りも二回りも強くなったという自負もある。
「怪我している間も、筋トレでしっかり身体は鍛えられたし、精神的にも強くなった。試合を観ているだけでも自分のサッカー観は変わったというか、自分が入ったらこうしようとイメージを膨らませる意識もついたので、リハビリの期間は決して無駄ではなかったと思います」
靱帯断裂のリリースが出された9か月前のその日、また必ず強くなって復活するとツイッターに綴った公言をきっちり果たした大竹にとって、「完全復活」とは――。
「自分のなかで、怪我する前の自分を超えるプレーを見せられる試合ができて、初めて完全復活かなと。もう少し時間はかかるかもしれないけど、絶対にできる自信はあるので、それをピッチで表現したいと思います」
「リーグ戦はあと14試合しかない。自分としては全試合に出場すること、少しでも早くスタメンで出ることを追い求めながら結果にこだわっていきたいし、もっと貪欲に要求して自分の良さを出せるようにすることが、結果、チームのステップアップにつながっていくはず。これからのシーズン残り半分の経験を、来年のJ1にぶつけられるようにしたいと思います」
不死鳥のごとく舞い戻った天才の挑戦は、まだ始まったばかりだ。
取材・文:小田智史(週刊サッカーダイジェスト編集部)
「うちには中央で選択肢となれるタイプの選手はあまりいない。洋平のような1.5列や2列目から得点を取れる選手がいることは、チームの浮沈の鍵を握ると思います。途中からでも、最初からでもチームに勢いを与えてくれれば理想ですね」
曺監督がそう語れば、岡田も大竹がもたらす“新たな側面”に期待する。
「洋平は中盤に下りてきて時間を作ってくれるし、前にいて常にスルーパスを出せる体勢でいてくれるので、僕としてもやりやすいですね。洋平が持ったら裏を狙うだとか、スルーパスに反応するのは、自分にとっても楽しい。昔一緒にプレーしていた仲なので、ふたりにしか分からないようなコンビネーションを出していきたいです」
そうした期待を、大竹は痛いほど感じ、果たすべき責務を自覚している。
「チームはすごく調子が良いし、首位なんですけど、最近はゴールが取れない試合もあった。自分はそこを打開するための突破口になりたい。みんな縦の意識が強く、去年よりも前にボールが入るようになっているので、そこで前を向いてドリブルだったり、パスだったり、シュートだったり、ゴールに向かっていくプレーを多く出したいと思います」
主戦場となるシャドーは、岡田、武富に加え、清水から移籍してきた樋口寛規や吉濱遼平などがポジションを争うチーム一の激戦区だ。シーズン半分をリハビリに費やし、まだゲーム感覚が万全でないことに、もどかしさや焦りを少なからず感じるという。反面、プレーヤーとして、人間として、一回りも二回りも強くなったという自負もある。
「怪我している間も、筋トレでしっかり身体は鍛えられたし、精神的にも強くなった。試合を観ているだけでも自分のサッカー観は変わったというか、自分が入ったらこうしようとイメージを膨らませる意識もついたので、リハビリの期間は決して無駄ではなかったと思います」
靱帯断裂のリリースが出された9か月前のその日、また必ず強くなって復活するとツイッターに綴った公言をきっちり果たした大竹にとって、「完全復活」とは――。
「自分のなかで、怪我する前の自分を超えるプレーを見せられる試合ができて、初めて完全復活かなと。もう少し時間はかかるかもしれないけど、絶対にできる自信はあるので、それをピッチで表現したいと思います」
「リーグ戦はあと14試合しかない。自分としては全試合に出場すること、少しでも早くスタメンで出ることを追い求めながら結果にこだわっていきたいし、もっと貪欲に要求して自分の良さを出せるようにすることが、結果、チームのステップアップにつながっていくはず。これからのシーズン残り半分の経験を、来年のJ1にぶつけられるようにしたいと思います」
不死鳥のごとく舞い戻った天才の挑戦は、まだ始まったばかりだ。
取材・文:小田智史(週刊サッカーダイジェスト編集部)